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ランボルギーニ”幻のコンセプトカー”、プレグンタが競売へ。その名の意味は「問い」、アウディによる買収の1ヶ月後に発表されたその存在意義とは

ランボルギーニ”幻のコンセプトカー”、プレグンタが競売へ。その名の意味は「問い」、アウディによる買収の1ヶ月後に発表されたその存在意義とは

Image:Lamborghini

| 戦闘機にインスパイアのされた「幻のランボルギーニ」 |

ランボルギーニ「最後の」純粋なスーパーカー、推定落札価格は最大で約6億円

1990年代はコンセプトカーの黄金期であり、各自動車メーカーやデザインハウスが想像力あふれるモデルを次々に発表した時代です。

その中でも特に注目すべき一台がランボルギーニ「プレグンタ(Pregunta)」で、このクルマは1998年のパリモーターショーで初公開され、ディアブロをベースにフランスのコーチビルダー「ユリエ(Heuliez)」と共同開発されたコンセプトモデル。

デザインを手がけたのは、ランボルギーニ・デザインの巨匠マルチェロ・ガンディーニの薫陶を受けたマルク・デシャンで、当時流行していた「プロジェクター」ランプをデザイン要素として活用した独特のルックスが目を引きます。

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戦闘機「ラファール」に着想を得たデザイン

プレグンタの最大の特徴は、フランスの戦闘機「ダッソー・ラファール」からインスピレーションを得たスタイリング。

カーボンファイバー製ボディには同機と同じステルス性能を持つ塗料を用いたマットグレーペイントが施され、キャノピー風の一体型フロントガラスが航空機的な雰囲気を強調します。

インテリアも当時としては先進的で、マニェッティ・マレリ製のデジタルメーターや光ファイバー照明、リアビューカメラ、ナビゲーションシステムを搭載しています。

なお、これらのうちいくつかは2007年に発表された「レヴェントン(下の画像)」にも受け継がれており、ランボルギーニの「ミリタリー路線」の先駆けになったクルマだと捉えることも可能です。

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ディアブロ譲りのV12を搭載

パワートレインはディアブロの5.7リッターV12をチューニングしたもので、最高出力は530馬力。

駆動方式は(軽量化のためにフロントのドライブシステムが取り外されて)後輪駆動、5速マニュアルトランスミッションを介して路面にパワーが伝達され、古典的なスーパーカーらしいフィーリングを持つと言われます。

ランボルギーニの転換期を象徴する一台

プレグンタが発表されたのは、アウディがランボルギーニを買収したわずか1か月後のこと。

そのため「最後の純粋なランボルギーニ」とも言える存在であり、のちのムルシエラゴやガヤルドへとつながる重要なモデルであると捉えられています。

参考までに、プレグンタはスペイン語で「質問」を意味しますが、これは、アウディ傘下に入る前のランボルギーニが、今後のスタイリングについて投げかけた「問い」を象徴するものであったとも言われます(ただし同時に闘牛の名でもあった可能性も考えられ、複数の意味を含んでいたのかもしれない)。

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オークションにて3〜4億円の予想落札価格

このプレグンタはユリエによって数年間展示された後、2008年にコレクターの手に渡り、2021年にはランボルギーニ自身が整備と認定を行い、公式ミュージアムに展示されたことも。

そして2025年10月10日、ベルギーで開催される「Zoute Concours」オークションへと出展される運びとなり、約300万〜400万ドル(約4億4000万円〜5億9000万円)で落札されると予想されています。

製造されたのはこの一台のみなのでまさに「唯一無二」の存在であり、他ではまず目にすることのできないコンセプトカーということになりそうですね。

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参照:Motor1, Lamborghini

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