
| ランボルギーニのデザインは「革新」を続ける |
ランボルギーニ・マニフェストは同社の「潜在的な未来」
ランボルギーニがデザイン部門「チェントロ・スティーレ」の設立20周年を記念し、コンセプトカーとしての「ランボルギーニ・マニフェスト(Manifesto)」を公開。
デザインディレクターを務めるミッチャ・ボルカート氏が「独自のデザインDNAの潜在的な未来」と語る、シャープで過激な未来志向のデザイン要素を持っていますが、ランボルギーニは「レヴエルト」でようやくミッチャ・ボルカート氏が「イチからデザインした」車両を市場に投入することとなり、さらにはテメラリオがそれに続くことに。
そして今後登場するであろうランボルギーニはすべからく同氏が新しく定めたデザイン言語を踏襲スるということになりそうですね。
ランボルギーニ「Manifesto」:ブランドの未来像を示すデザインスタディ
このランボルギーニ・マニフェストは特定の市販車を示唆するものではなく、あくまでも今後のランボルギーニのデザインを示す「デザインスタディ」。
エッジの効いたスタイリングを持つものの、「ヘキサゴン(六角形)」は影を潜め、しかし「Y字」は継続して表現手法として用いられています。
なお、ボディカラーには「黄色」が採用されていますが、これはおそらく「カウンタックLP500」をイメージしたものだと思われ、かつイエローが「もっともランボルギーニらしい色」だと一般に捉えられている事実を反映してのことなのだと思われます。
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シャークノーズとY字型ライト:過激なスタイリング
このコンセプトカーは以下の通り、ランボルギーニの現在のスタイリングの進化形を特徴としています。
- シャークノーズのフロントエンドや、Y字型のライティングアクセントなど、馴染み深い要素が盛り込まれる
- 乗員の上部には、後部へとシームレスに溶け込むスロープ状のフロントガラスとダブルバブル(二重の膨らみ)のガラスルーフがあり、最も特徴的な要素の一つとなっている
- リアエンドには巨大なディフューザーがあり、短いリアフェンダーから巨大なタイヤが露出。後方から見ると、まるで「ホットウィール」のような過激なデザイン
なお、「縦方向のY字」はフェノーメノにも採用されており、「リヤタイヤがガバっと見える」のはミッチャ・ボルカート氏お気に入りのデザイン。
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そして注目すべきは「テールパイプを持たない」ということで、これは暗に「ピュアエレクトリックである」ということを示唆しているのかもしれません。
なお、「ドアがなく」、すべてがガラス張りのキャビン(グリーンハウス)は非現実的ではあるものの、将来のスーパーカーに対しては、このマニフェストに採用されるデザイン要素の一部が取り入れられる可能性が非常に高い、と考えられます。
「トレンドを作る」という哲学
その一方、この野心的なスタイリングの下には(ヘッドライトやテールライトなど)量産を意識した部品のヒントも見て取れますが、これはあくまで潜在的なアイデアを詰め込んだコンセプトに過ぎません。
ミッチャ・ボルカート氏は次のように語っています。
「私たちはトレンドを作ります。それに追随することはありません。私たちは常に、来年、そして次の20年先を見据えなければなりません」
この発言には実際のところ真実味があり、というのはランボルギーニが市販車、そして限定車を発売すると、多くのチューナーやホイールメーカーがそこに用いられるデザイン要素を模倣するからで、これは「ランボルギーニがトレンドを作っている」ということの証左でもあると考えています。
このコンセプトカー、「マニフェスト」は、チェントロ・スティーレの20周年を祝う一環として制作されたものであり(ランボルギーニはまだ公式プレスリリースでこのクルマを紹介しておらず、まずはミッチャ・ボルカート氏個人のインスタグラムにて公開されている)、同スタジオではこれからも多くの限定モデルやワンオフモデルを制作していくことになりますが、その中で「マニフェスト」の要素が徐々に統合され始めることとなりそうですね。
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参照:mitjaborkert(Instagram)