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| ランボルギーニ「デザインの心臓部」:チェントロ・スティーレ設立20周年 |
新しいデザイン言語を示す「マニフェスト」も発表
さて、ランボルギーニの社内デザインオフィス、「チェントロ・スティーレ」が創立20周年を迎えたことは既報のとおりですが、今回はその創立から現在に至るまで、そして未来について語るコンテンツが公開されることに。
まずランボルギーニは「スーパースポーツカーにとって、デザインは単なる見た目ではなく、エンジニアリングを「感情」に変えるための不可欠な要素」であり、このチェントロ・スティーレは、「ランボルギーニというブランドは、外部に依存せず、独自の創造的な声を守り抜かなければならない」という信念のもとに誕生した、と述べています。
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全ての現代ランボルギーニを形作る「3つの原則」
2016年からデザインディレクターを務めるミッチャ・ボルカート氏によれば「デザインこそが、お客様がランボルギーニを購入する最大の理由です。ブランドのDNAと直結させ、社内で開発することが必須なのです」。
現在、チェントロ・スティーレはブランドの創造プロセスの「鼓動する心臓」として機能しており、ムルシエラゴからレヴエルト、ガヤルドから新型テメラリオに至るまで、すべての現代ランボルギーニがここから生みだされることとなっています。
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2005年の開設以降、ルク・ドンカーヴォルケ氏、フィリッポ・ペリーニ氏、そしてミッチャ・ボルカート氏と3人のディレクターによって率いられていますが、彼らが継承し、拡大させてきたデザインDNAを貫くのは、以下の3つの哲学。
- 識別性(Recognisability):
- 遠くからでも一目でランボルギーニとわかるシルエットが最優先される
- 象徴的な「Y字型のライトグラフィック」と「六角形の幾何学模様」は、1960年代のイタリア建築や産業デザインに根ざしたDNAを継承する不可欠な要素である
- 驚き(Surprise):
- 固定されたルールの中で、新型モデルは常に予想を超え、「驚き」を提供する必要がある
- レヴエルトやウラカン STO/Sterratoのように、「各モデルが異なる言語を話しながらも、ランボルギーニとして認識できる」ことが課題
- 好奇心(Curiosity):
- デザイナーの必須特性として「好奇心」を挙げ、「子供の目で世界を見て、常に新しい影響に開かれていること。それがランボルギーニを未来志向で予測不能な存在たらしめる
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多分野にわたる国際チームと未来の探求
チェントロ・スティーレのチームは、イタリア、日本、ドイツ、アメリカなど、多岐にわたる国籍とスキルを持つ25名の専門家で構成されており、彼らの仕事は、比率やラインを決定するエクステリア/インテリアデザイナーであるだけではなく、アイデアを物理的な形で示すクレイモデラー、素材と色を決定するカラー&トリム専門家、そしてコンセプトを生産の現実に変換する実現可能性デザイナーにまで及ぶそうですが、ボルカート氏は彼らを「サッカーチーム」に例えます。
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さらには革新性を維持するため、ボルカート氏は「クレイジー・コーナー」と呼ばれる小グループを設立。
彼らのミッションは、20年後のランボルギーニの姿を想像し、新しいモビリティの形や、DNAの過激な再解釈を追求することだと説明しています。
「Manifesto」:ランボルギーニ未来デザインの新しい指針
この新しいビジョンの最も明確な表現が、創立20周年を記念して発表されたコンセプトカーである「Manifesto(マニフェスト)」。
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- 「4輪の彫刻」として構想されたマニフェストは、ラディカルな純粋さと強力な存在感を体現し、ランボルギーニ・デザインの哲学を蒸留する存在
- 2017年のテルツォ・ミッレニオ(ボルカート氏の最初の作品)がレヴエルトやテメラリオに影響を与えたように、マニフェストは今後のランボルギーニモデルの新しい参照点となる役割を担う
- ボルカート氏は、「マニフェストはエンジンや技術ではなく、想像力についてのコンセプト。ランボルギーニの夢を生き続けさせる方法を示している」と述べ、これが未来への「意思の宣言」であることを強調
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設立から20年を経たチェントロ・スティーレはデザインスタジオの枠を超え、文化と規律のるつぼとなっていますが、その役割はランボルギーニのDNAを堅持しながら、間違いなくランボルギーニといえる未来のクルマを形作ること。
そしてチェントロ・スティーレはこの役割に従い、次世代のランボルギーニを作り出すことになりそうですね。
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