デザイナー、Sergey Dvornytskyyさんの考えた「MASERATI GENESI CONCEPT」のレンダリング。
近未来での登場を想定しており、完全自動運転機能やVR対応、といった機能を備えます。
デザイン的には現代のマセラティ、とくに「グラントゥーリズモ」や「アルフィエーリ・コンセプト」を踏襲したもので、デザイナーさん自身もマセラティの持つヘリテージを大切にした、と記載があります。
ベルトーネに在籍し、その後イタルデザインを設立したジョルジェット・ジウジアーロ氏は、マセラティのデザインについて、「どの部分がマセラティであるかを決定づける要素というものはない。マセラティの発するサウンド、全体の醸し出す”雰囲気”そのものがマセラティなのだ」と語っていますね。
なおベルトーネではマセラティ・カムシン、ジウジアーロ・デザインではボーラ、メラク、クワトロポルテ、3200GTのデザインがなされています。
フロントウインドウやサイドウインドウの「内側」に当たる部分がスクリーンになっているようで、外の景色をそのまま映し出せる模様(自動運転時には他の映像でも投影可能と思われる)。
なお、このように「車内全体に車外の」風景を投影できるのであれば、スクリーンまでの距離が見えれば良いので「視力に依存した」周囲の確認が不要で、さらには「夜でも昼のような」景色を映し出せたり(逆でもOK)、危険をより効果的に知らせる(危なそうな他の車を赤く表示したり)ことができるようになり、大きく安全性が向上することになりそうです。
こちらは別のデザイナー、Francesco Gastaldiさんによる「マセラティ・オマージュ」。
まさに豪華絢爛といったイメージですが、これこそジウジアーロ氏の言う「全体の雰囲気がマセラティであることを決定する」という象徴なのかもしれません。
なお、環境問題、そして速度を追求することが難しくなってきている昨今の状況を反映してか、自動車には「走行性能」以外の要素が追求されるケースが増えています。
それはハイパフォーマンスカーとて同じで、加えて購買層が中東や中国へとシフトするにあたり、「走る楽しみ」から「コレクションする楽しみ」といった新たな要求を満たす必要も。
そういった事情を鑑みると、自動車のデザイン、使用される素材、仕上げ、なにより「美しさ」は重要になってくるのだろう、とも考えられます(とくにスーパーカーは高額な機械式腕時計や、芸術品と同等のポジションになるかもしれない)。