| そもそもなぜマセラティを公費で購入したのか、それが謎 |
さらにはランドクルーザーなど、APEC首脳会議のために購入した車両300台も行方不明
さて、パプアニューギニア政府が購入したマセラティ・クワトロポルテ40台が「大幅割引価格」にて売りに出されたとして話題に。
ことの経緯はちょっとややこしく、まずこれらマセラティ・クワトロポルテは、2018年に開催されたアジア太平洋経済共同体(APEC)首脳会議に出席する要人を送迎するために輸入されたことから始まります。
ちなみにこれらマセラティ・クワトロポルテは専用機(マセラティのロゴが機体にある)でパプアニューギニアまで輸送されたようですね。
なぜマセラティ・クワトロポルテを?
ここでいくつかの疑問が生じるのですが、まずは「なぜ、パプアニューギニアの政府は、現地にディーラーのないマセラティを購入したのか」、そして「ここまでの高級車を購入する必要があったのか」。
こういったイベントでは、先の東京オリンピックにてトヨタが車両を提供したように、現地の企業(自動車メーカーなりディーラーなり)が車両を(スポンサーとして)提供することが通例で、実際に2015年にフィリピンで行われたサミットでは、BMWが200台超の車両を提供し、その後一般向けへと販売されています。
しかし、上述のとおりパプアニューギニアにはマセラティが正規輸入されておらず、であれば(メルセデス・ベンツなりBMWなり)他のブランドからスポンサーを募るべきだったとも思われますが、わざわざ公費にて(約6億2000万ほどを投じて)マセラティを輸入したのはまさに「謎」。
ちなみに購入先はスリランカのディーラーだったことが明らかになっていますが、もしかするとなんらかの「裏金」が動いたのかもしれません。
そして金額面についてだと、BBCによれば「パプアニューギニアはAPECの中でもっとも貧しく、人口の40%が一日100円以下で生活しているといい、そんな中で「公費で高級車を大量に購入」しているわけですね(マセラティ・クワトロポルテに加え、ベントレー・ベンテイガも3台輸入されている)。
サミット終了後、一応は販売されたようだが
なお、サミット終了後にこれらマセラティ・クワトロポルテは「一般向けに」売り出されたようですが、政府の「飛ぶように売れる」というコメントとは裏腹に、実際に売れたのは2台のみだったとされ、そのため「政府がマセラティ・クワトロポルテをどこかにやってしまったのでは」という噂も流れた模様。
ただしこのウワサは真実ではなく、政府はメディアに対して「政府が保管している」マセラティ・クワトロポルテの実車を見せたこともあるそうですが、同じくサミットのために輸入されたトヨタ・ランドクルーザー、三菱パジェロのほか、フォード、マツダ車など300台が「行方不明」になっているといい、このあたりはもう「何かを」疑わずにはいられないところですね。
しかしながら、こういった疑惑を払拭するためか、今回パプアニューギニアのジョン・プンダリ財務大臣は、「先見の明があれば、そもそもマセラティは購入しなかっただろう。我々は大きな間違いを犯した。パプアニューギニアにマセラティのディーラーがないのであれば、マセラティを購入する理由はそもそも存在しない」述べ、1台あたり約1250万円程度に価格を引き下げ、再度一般向けに販売するとコメントしています。
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参照:BBC News