マツダが1995年の東京モーターショーで発表した「RX-01」。
自然吸気ロータリーエンジン(13B)を搭載し出力は220馬力、重量は1100キロ、というスペック。
「RX-7」がFD3S(1991~2002)だったころの作品ですが、FD3Sの後継として考えられており、2+2レイアウトを持つ軽量スポーツカーです。
ターボを捨ててエンジンを軽量・コンパクトに収め、ドライサンプとすることでエンジン搭載位置を極限まで低く、そして室内側に搭載する「センターミドシップ」構造を持っていますが、「軽量性と運動性能」を追求するというマツダの姿勢は昔から全然ブレてないこともわかります。
当時はバブル崩壊後ということもあり、「安価な」ということが必須の要件だったのかもしれませんね。
↓メーターなどはコンセプトカーのために新造するのではなくRX-7(FD)からの流用となっていますんが、これも当時の「台所事情」を示しているかのようです。
なおサスペンションアーム、ダンパーケース、ブレーキャリパーはアルミ製、ホイールはマグネシウム製となっており、足回りの重量についても大幅軽減。
加えてマツダらしく重量配分にもこだわっており、バッテリーは後輪の車軸付近に搭載するなどの努力が見られ、RX-7以上の「ピュアスポーツ」になり得た可能性も。
全長4055ミリ、全幅1730ミリ、全高1245ミリとかなりコンパクトな車ですが、上述のように2+2、しかも実用に耐えうるトランクスペースを持っており、ゴルフバッグは2個積載が可能。
前後にクラッシャブルゾーンを設け、フレームにもインパクト時には衝撃を分散させる構造を持たせるなど市販を考えた構造を見て取ることができ、「市販化されていたかもしれない」、非常に実現性の高かったコンセプトカーでもありますね。
ただ、この時期は「バブル崩壊」の煽りを受け多チャンネル展開を行っていたマツダは大きくその方向性を変更せざるを得なくなり、同時期に影響力を強めていた(業務提携先の)フォードの意向で「2ドア(3ドア)クーペ」はお蔵入りに。
これは当時スポーツクーペの保険料が高騰していたことへの対策で、同じ理由によって日産フェアレディZ、トヨタ・スープラも生産終了や北米の販売から撤退という憂き目にあった頃でもありますね。
よって「RX-7」の後継はこの「RX-01」ではなく「RX-8(2003-)」となり、そしてRX-8は4枚のドアを持ち、これが保険会社に対する「免罪符」になるため保険料の引き下げが可能となっています。
※RX-8はセンタートンネル下にある触媒の熱によってセンタートンネルが加熱され、「オンドル(韓国の床下暖房)」と良く言われた
VIA:Motor1