| ただでさえメタリックは修復が難しいが、マツダの特別塗装はそれに輪をかけて高い技術が要求される |
表現手法が多様化するとともに求められる修復スキルとコストも上昇
さて、「ボディカラーも車体デザインの一部」とするマツダが「ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリックに続く第3弾の特別塗装色」、ロジウムホワイトプレミアムメタリックについて紹介するコンテンツを公開。
これによると、ロジウムホワイトプレミアムメタリックはマツダ独自の塗装技術「匠塗TAKUMINURI」によって再現されたもので、CX-60を中心としたラージ商品群を中心に採用するといい、文字通り「プレミアムなクルマにはプレミアムなボディカラー」ということになるのかもしれません。
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「日本の美」をイメージしたピュアな白さ
マツダはこれまでにも「ソウルレッドクリスタルメタリック」「マシーングレープレミアムメタリック」のように特徴的なボディカラーの開発に力を入れていますが、これは「カラーも造形の一部」というマツダの信念に基づくもので、マツダの掲げるデザイン言語「魂動(こどう)-Soul of Motion」によってデザインされた車体を際立たせるため。
現行マツダ車はダイナミック、そして繊細なボディパネルを持ちますが、その面構成を際立たせ、かつ美しくディティールを浮かび上がらせたり、周囲の景色を映し出すということを念頭に置いているようですね。
ちなみにですが、CX-60のデザインコンセプトは「Noble Toughness」だと紹介されており、これは「力強さ」「タフネス」の中に表現される「知性」「エレガンス」を表現し、異なる要素を両立させるというもの。
そしてそのデザインを際立たせるカラーとして開発された新色がロジウムホワイトプレミアムメタリックということになりますが、ソウルレッドクリスタルメタリックやマシーングレープレミアムメタリックのように濃色ではないため陰影がさほど出ないものと思われ、しかしマツダによるとロジウムホワイトプレミアムメタリックは「日本の美」「引き算の美学」に基づいているといい、雑味のないピュアな白さや、きめの細かい粒子によって、「面による陰影表現を際立たせる金属質感」を表現しているのだそう。
「匠塗」はロジウムホワイトプレミアムメタリックでさらに進化
そしてこのロジウムホワイトプレミアムメタリックでは、この表情豊かなカラーを、クリア層、反射層、カラー層(発色層)の三層のみで塗装できることが特徴だといい、とくにカラー層では「絹のようなきめ細かな白さを表現」。
これまでホワイト系ボディカラーは下地が透けやすく、他の色より塗膜が厚くなる傾向にあったそうですが、今回マツダでは新開発の顔料を採用することで、塗膜を従来比で約30%削減することに成功したといい、これによって省資源化や生産工程でのCO2排出削減にも貢献しているようですね。
反射層においては、ソウルレッドクリスタルレッド同様に「極薄の高輝度アルミフレーク」を塗装し乾燥過程で体積を収縮させているそうですが、一般的な反射層の約15分の1である約0.5ミクロンにまで極薄化した塗膜の中にアルミフレークを均一に分散させることで「光が当たったときに面全体が輝くように光る金属的な質感」を実現しており、淡色であるホワイトであっても陰影が出るように工夫されている、とのこと。
マツダは今後も「ボディカラーも車体デザインの一部」だとして新しいカラーや表現方法を追求するとしており、よって「第4」「第5」の特別塗装色が(新車発表に合わせて)登場するのかもしれません。
ただ、時折聞くのは、これら特別塗装色について、(事故等による破損による)修復を行う際に色(というか反射率?)合わせや、均一にアルミフレークを吹き付けることが難しかったり、そもそも塗料が高いので修理費用が割高になるという話。
今回のロジウムホワイトプレミアムメタリックについては濃色であるソウルレッドクリスタルメタリックやマシーングレープレミアムメタリックほどカラーを合わせることが難しくないかもしれませんが、「塗膜が薄い」という特徴から、補修を行わない部分との質感のマッチングを取るのがちょっと難しいのかもしれませんね。
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