| 唯一、日産GT-RのエンジンをMTで操れるクルマ |
映画監督兼フェラーリ・コレクター、ジェームズ・グリッゲンハウス氏が主宰する「スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(Scuderia Cameron Glickenhaus)」。
これまでも同氏はピニンファリーナにワンオフのカスタムモデルを発注したり、フェラーリのコンセプトカーを購入したりしていますが、最近は自身の自動車会社を立ち上げ、自身の名を冠したクルマを発売することに集中しているようです。
ニュルブルクリンクでのパフォーマンスはいかほど?
ただしその道程は平坦ではなく、「完成車メーカー」としての認可を受けることが難しかったようで、一時は「キットカー」としてクルマを販売しようとしたことも。
なおアメリカでは「キットカー」の販売であれば様々な規制を逃れられることがその理由ではありますが、「ハイパーカー並の性能を持つのに消費者が組み立てる」という危険性もあり、そういった懸念もあってか最近「自動車メーカー」としての認可を晴れて取得。
これで大手を振って完成車を販売できることになり、その第一弾が「SCG004S」(上の画像)。
昨年の発表時には「5リッターV8ツインターボ、650馬力」とスペックが公開されていたものの、今回ジェームズ・グリッケンハウス氏がAutocarに対して「市販モデルのエンジンは日産GT-RのVR38DETT」と語った模様。
気筒数は2本減るものの、出力は690馬力にまで高められ、しかも軽量なので「もともと想定していたパフォーマンス」よりも運動性能が高くなることが想像できます。
なお、トランスミッションは標準仕様が「マニュアル」、オートマティックはオプション扱い。
実際にマニュアル・トランスミッションをオーダーする人は「極めて少ない」とグリッケンハウス氏は語っているものの、本家日産GT-Rのトランスミッションはデュアルクラッチしか用意されていないため、SCG004Sは「GT-Rのエンジンをマニュアル操作でコントロールできる」クルマということに。
価格は4300万円ほどから、そして納車は今年の末からとも伝えられており(年間の生産は250台の予定)、実車の公開そしてパフォーマンスが楽しみな車でもありますね。
さらにSGC004には、サーキット専用モデルの「SCG004C」も用意され、こちらもやはりGT-Rのエンジンを搭載する、とのこと。
日産GT-Rのエンジンを積んでいるのはほかにこういったクルマも
なお、日産GT-Rのエンジンを搭載したクルマとしては「ルノーR.S.01」が存在。
これはルノーの開催するワンメークレース「ルノー・スポール・トロフィー」向けに制作した車両で、VR38DETTをミドシップに搭載。
さらにエンジンはドライサンプ化され、カーボンモノコックシャシー(ダラーラ製)にプッシュロッドサスペンション(オーリンズ製)という本気のクルマです(レース用なので当然ですが)。
こちらのトランスミッションは7速シーケンシャルなので、やはりSCG004Sは唯一の「MTでVR38DETTを走らせることができる」クルマなのかもしれませんね。
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