| トヨタ「ライバル不在の勝利には意味がない |
トヨタは2018年に開催されたル・マン24時間レースにおいて待望の初優勝を手にしましたが、トヨタはこの結果について「恥だ」とコメント。
この意味としては「ポルシェもアウディもいない状況で納めた勝利には価値がない」ということのようですね。
トヨタは現在のレーシングカー「TS050」を2016年に投入しており、2016年には圧倒的な速さを見せてポルシェを抑えるも最後の6分でトラブルによって失速し、後ろを走っていたポルシェ919ハイブリッドに勝利を持ってゆかれることに。
まさに天国から地獄といった感じですが、「どこで何があるかわからない」耐久レースの難しさ、そしていかに勝利が遠いと思えても(ポルシェが見せたように)諦めないことの重要さがわかる結果であったと言えます。
今回の勝利もここ2年の屈辱を払拭するに十分ではない?
翌2017年には3台のTS050を投入するも2台がリタイア、そして残る一台も2016年とは異なってポルシェに及ばず2位という結果に。
しかも下位カテゴリのLMP2クラスのマシンに先行される場面もあり、ある意味では「屈辱の年」であったと言えそう。
2018年にはこれまで激闘を繰り広げてきたポルシェ919ハイブリッドが参加していないために「ライバル不在」の戦いではあったものの、圧倒的な速さでル・マンを見事制していますが、トヨタとしてはよほど2016年、2017年の悔しさが強かったのだと思われ、トヨタのル・マンチームの監督は「もちろんこの結果は喜ばしいことだが、アウディもポルシェもいない状況での勝利は恥でしかない。今回の勝利はこれまでの2年にわたる屈辱を払拭するのに十分とは言えない」とコメント。
ただ、今回は2台出走したうちの2台が生き残り、かつ1位をずっと守りきっての優勝、しかも1-2フィニッシュなので何も恥じることはない、とぼくは考えています。
なお、優勝したのは「中嶋 一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ組」の8号車で、2位は小林 可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス組の7合車。
トヨタは同じル・マンにて、レース前にTS050をベースにしたスーパースポーツ「GRスーパースポーツ・コンセプト」の開発に着手することを明言。
その後見事ル・マンで勝利を納め、その記者会見の場で実際にGRスーパースポーツ・コンセプトを登場させるという演出も。
今後トヨタは「GR」を強く押し出してゆきたいものと思われますが、出だしとしては「これ以上ない」スタートなのかもしれませんね。
なお、ぼくは新卒の頃にトヨタ自動車の入社試験を受けて内定をもらっていますが、そのときに質問したのが「ル・マンに出場したとき、社内でも盛り上がるのか?」ということ。
その答えとしては「あんまり盛り上がってない」という衝撃的なものでしたが、今回の優勝についても「ル・マンに出たトヨタは日本のトヨタとは別の会社」のような扱いであり、ほぼ日本では話題にならず、トヨタ系ディーラーでもまったくそれについて触れることはなく、かつ広告やTVCMでも語られていないのが謎。
この状況を見るに、「ルマンに出ても日本のトヨタでは盛り上がらない」のはぼくが就職試験を受けた頃から変わっていないようですね。
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