| 動画ではサーキット(舗装路)においても高い俊敏性を見せる |
先日の「トヨタWRCチームのドライバーがオフロードを走らせる」GRヤリスのティーザー動画に続き、今回はオンロードを走るティーザー動画がドロップ。
場所はスペインのエストリル・サーキットですが、動画を見る限りではその俊敏性はかなり高く、高速カーブだろうがタイトなS字だろうが縦横無尽に駆け抜けていることがわかります。
そしてやはり「新型GRヤリス」は単なるヤリスの「スポーティー版」ではなく、WRCカーの市販モデル、もしくはラリー出場のためのホモロゲーションモデル(すでに取得済みだと思われ、実際にその必要はないと思われますが)という性格が強そうです。※もともとラリー・オーストラリアの場で発表予定だったことを考えると、”モータースポーツ直結度合い”が高いのは当然かも
「ヤリス」の名を借りたレーシングカー
そしてGRヤリス最大の特徴は「(現在の)市販ヤリスにはない3ドア」ボディ形状を持つこと。
かつ、5ドアのヤリスに比較してルーフは95ミリも低く、加えてワイドに。
ルーフ、ボンネット、テールゲート、ドア、フロントフェンダーといった「高い位置にあるもの、ロールセンターから遠くにあるもの」はアルミ製へと変更されて軽量化とともに重心も最適化。
ヤリスはもともと軽量かつ高剛性、低重心な車体構造を持ちますが、これに輪をかけて基本性能が引き上げられたということになりますね。
もちろん基本構造は5ドアのヤリスに準ずることになり、ホイールベースも同一ではあるものの、リアサスペンションはトーションビームを捨ててダブルウイッシュボーンへ(ワイド化によってかなりサスアームを長く取っているように思われ、トラベル量も相当あるようだ)。※フロントはマクファーソンストラット
そしてエンジンは「1.6リッター3気筒」、しかし出力なんと250馬力。
トヨタいわく、これは「市販車に積まれる3気筒エンジンで最も軽く、もっともパワフル」なものだとされ、車体重量を軽量に留めるのはもちろん重量配分も4気筒に比べて改善されることに。
なお、WRCに使用される車両(R5クラス)も2020年からは3気筒にスイッチするようですね。
もちろん出力に応じてブレーキも強化されることになり、フロントは18インチサイズのローターを持つ4ポット対向キャリパー、リアは16インチ+2ポット対向キャリパーが採用に。
タイヤはボディ幅ギリギリまで出されていて、車高もそれなりに落とされているものの、悪路走行を考慮しているためか最低地上高も確保されているようです。
トランスミッションは「マニュアルのみ」で、その理由は「そのほうが楽しいから」。
駆動方式はもちろん4WD、そしてセンターデフを使用せず、通常時(ノーマル)では60:40、スポーツモードに入れると30:70とリア寄りに、そしてトラックモードだと50:50へ。
つまり「スポーツ」だと若干ドリフト許容の設定となり、「トラック」だと滑らせずにフロントで引っ張るということになりますが、これは「楽しみながら走るモード」なのか「真剣にタイムを追求しながら走るモード」なのかということになりそう。
なお、GRヤリスにはオプションで前後にLSDの追加が可能だとされ、「トヨタの本気度」が伺えるクルマに仕上がっている模様。
ちなみに開発には2年の歳月を費やしているとのことですが、これまでの「GR」「GRMN」とも異なる、まさにモータースポーツ直結の車両であり、今までのトヨタでは存在し得なかった、豊田章男社長だからこそ世に送り出せるクルマだと言えそうです。
そしてもっとも気になるのは価格。
これだけの変更が加えられるとなると「ヴィッツGRMN」の400万円を超えるのは間違いなく(出力もヴィッツGRMNの212馬力よりも高く、しかも4WD)、ホンダ・シビック・タイプRと同じくらい(つまりは450−500万円あたり)になるんじゃないかという見方も多いようです。
それでは動画を見てみよう
こちらはまずトヨタ公式の最新ティーザー動画。
そしてこちらたMotor1イタリアチームによるエストリル・サーキットでの試乗レビュー。
上のティーザー動画を撮影する前後に、特定のメディアを招待して試乗会を行ったようですね。
このほか、Autocarも試乗会に参加してレポートを公開しています(一昨日あたりから解禁になったようだ)。
こちらはサーキットではなくグラベルでの試乗動画。
Lovecars!TVによる国内での試乗動画。