| GRスーパースポーツは発売が濃厚となりながらも「富士スピードウェイ」での炎上事故によってその可能性が潰えたと言われるが |
しかしトヨタはまだ発売の可能性を模索しているようだ
さて、先日「発売が中止された」と報じられたトヨタのハイパーカー「GRスーパースポーツ」。
これはル・マン24時間レースの覇者であるトヨタTS050ハイブリッドの「公道走行可能バージョン」となりますが、今年8月に「富士スピードウェイで行われたテスト中にプロトタイプがクラッシュし炎上した(ただし発表は出ていない)」事故を受けてのことだとされていますが、今回「完全に中止されているわけではない」という報道が登場しています。
-
なぜだッ!トヨタのハイパーカー、GRスーパースポーツが発売中止とのウワサ。富士SWで起きたクラッシュそして炎上が原因との報道
| 察するに資金の問題ではなく、安全線を担保できない可能性 | やはりレーシングカーを公道向けに転用するのはとてつもなく難しいようだ さて、トヨタが発売を予定していた公道走行可能なハイパーカー「GRス ...
続きを見る
GRスーパースポーツ発売の「可能性はまだ残されている」
そして今回の報道について要約すると、カーメディア「Drive」が直接、トヨタ・モータースポーツのコミュニケーション担当であるサム・マホーニー氏へと問合せたところ、「GRスーパースポーツは、現時点ではコンセプトカーであり、トヨタはこのクルマの商品化の可能性を検討しています」 という回答が返ってきた、とのこと。
つまり「GRスーパースポーツの市販は無い」わけではないという内容ですが、非常に曖昧なコメントであり、ぼくらとしては「一縷の望みに賭ける」しかないのかもしれませんね。
GRスーパースポーツはこんな変遷をたどっている
このGRスーパースポーツは2018年1月に公開されており、その後市販化も価格も明言されていない状態で「20人くらいの人が予約した」とも。
-
トヨタ”GRスーパースポーツ”公開。「市販車の性能を向上させるのではなく、レーシングカーを市販車にした」
| TS050の公道走行可能バージョン? | トヨタが突如発表を示唆していた「GRスーパースポーツコンセプト」の詳細を公開。 トヨタによるとこれはWECに参戦中のレーシングカー「TS050」とほぼ同じ ...
続きを見る
後にトヨタは正式にGRスーパースポーツの発売に触れ、その際には再度「これはレーシングカー(TS050)の公道走行バージョンであって、市販車をレーシングカーっぽく仕立て上げたものではない」と強調していますが、同時に出力986馬力、価格は1億円程度(ここ数年で大きくハイパーカーの価格が上がったので、今この金額を見ると安く感じるな・・・)ということもアナウンスされています。
-
トヨタが「GRスーパースポーツコンセプト」市販化を明言。986馬力、価格は1億円
| トヨタがGRスーパースポーツコンセプト発売を予告 | トヨタがル・マン24時間レースの会場にて「GRスーパースポーツコンセプトを発表する」と予告。 これはトヨタUKが期間限定に公開した動画およびト ...
続きを見る
さらにその後はGRスーパースポーツと思われるパテント画像が出願されたり・・・。
-
トヨタ「GRスーパースポーツ」は特許画像によるとキャノピー開閉式?珍しいようでキャノピー式を採用するクルマはこんなにあった
| しばらく音沙汰のないGRスーパースポーツだが | さて、トヨタはル・マン24時間レース優勝車である「TS050ハイブリッド」のロードゴーイングバージョン、「GRスーパースポーツ」を発売すると発表し ...
続きを見る
プロトタイプを走行させ、当初の計画よりもさらに性能を向上させる予定があることも発表しています。
-
トヨタはGRスーパースポーツにモーターをさらに1個追加して「合計1,000馬力」超のパフォーマンスを与えるようだ!なお限定台数は当初の20台から増える見込み
| 市販モデルはオープンではなく「キャノピードア」を採用する模様 | トヨタは限定ハイパーカー「GRスーパースポーツ」を発売する予定ですが、これはル・マン24時間レースのハイパーカークラス(LMH)に ...
続きを見る
最近だと専用の問い合わせフォームを設けて「興味の度合い」や「LFA、2000GTといったトヨタ/レクサスのスポーツカーを所有しているか」「モータースポーツのライセンスを保有しているか」といった事項をヒアリングしており、「いよいよ発売か」とも思われるに至っていますが、そこで発生したのが件の「富士スピードウェイでの事故」ということになりますね。
-
トヨタはGRスーパースポーツを普通の人に売る気はないようだ!問い合わせの際には2000GTやLFAの所有、現在持っている高性能スポーツカーやモータースポーツとの関わり、ライセンスについても聞かれるぞ
| トヨタGRスーパースポーツの購入ハードルは思ったよりも高そうだ | さて、トヨタが発売を予定していると言われる「GRスーパースポーツコンセプト」。これはルマン優勝車であるトヨタTS050ハイブリッ ...
続きを見る
やはりレーシングカーを公道向けに仕上げるのは難しい?
なお、この「富士スピードウェイでの事故」がなかったとしてもトヨタがGRスーパースポーツの発売に際して思うようにプロジェクトを進捗させることができなかったことも事実だと思われ、それはひとえに「レーシングカーを公道向けに転用することの難しさ」にあるのかもしれません。
実際のところ、メルセデスAMG One(F1用のパワートレーンを搭載)についても2017年の発表から現在に至るまで納車ができず(生産は2022年からだと言われる)、イベントやニュルブルクリンクでのテスト中に「動かなく」なってしまうことも。
-
【動画】メルセデスAMG Oneがほぼ偽装なしでニュルを走る!相当なペースを見せるもエンジントラブルのためコース上にて停止することに
| メルセデスAMGが走行中に停止したのはこれがはじめてではない | やはりF1用エンジンを手懐けるのには相当な困難が伴うようだ さて、ここ数日でニュルブルクリンクを走るメルセデスAMG Oneの動画 ...
続きを見る
そしてプジョーもル・マン24時間レース”ハイパーカークラス”に参戦させるレーシングカー「9X8」のロードカー計画をキャンセルしており、同じように「速く走る」ことが目的とはいえど、サーキットと公道、そして連続して走行するレースと”ストップ&ゴーが多く渋滞もある”公道とではまったく状況が異なり、両方で機能するクルマを作ることがいかに難しいかということもわかります。
-
さすが「おフランス」!レーシングカーなのに内外装ともオシャレさを忘れないル・マン用レーシングカー「プジョー9X8」が公開
| レーシングカーなのにリアウイングなしとはこれいかに | エンブレムは「新型」、前後ランプにはライオンの爪痕を想起させる「クローライト」 さて、ル・マン24時間レース「ハイパーカークラス(LMH)」 ...
続きを見る
参照:The Drive