| 初代アウディTTが登場したときの衝撃はまさに「自動車業界最大級」だった |
残念ながら今の市場においてはアウディTTが生き残るスペースは存在しない
さて、アウディTTはそのボディ形状やグレード、そして国や地域によって徐々に販売の場を失っていますが、今回はついに本国での生産が終了し、つまり現行世代のTTがついに終了したと公式にアナウンスされています。
アウディTTの生産は(初代から)25年にわたって継続されていますが、最後の個体はクロノス グレー メタリックにペイントされており、生産終了後は前任者や初期のコンセプトとともに、(生産を行なっていた)ハンガリーのジョール工場へと展示されることに。
この「最後のアウディTTは博物館へと寄贈されることに
なお、この「最後の」TTは博物館へと収蔵されることになるそうですが、初代TTは1998年2月18日に出荷され、今回の最終モデルが出荷されたのは2023年11月11日。
その生産期間中には662,762台のTTが生産され、この数字をみるといかにTTの人気があるかを理解することが可能です。
初代TTは特にデザインという面において自動車業界に衝撃を与え、「TTというひとつのカテゴリを(アウディ内で)創出したと言っても過言ではありませんが、そこからアウディのデザイン言語が進化したとしても、そのプロフィールやディテールが失われることはなく、そのパフォーマンスにおいては兄貴分のR8をも脅かすレベルにまで達しています。
なお、TTは3世代にわたり存続していて、しかし現行世代に入ってから世界的にスポーツカー人気が縮小してしまい、よってアウディはTTの生産終了を考慮することになるものの、TTには社外だけではなく社内にも多くのファンを持っていたといい、よって社内では(当時人気が出はじめた)SUVへとキャラクターチェンジしたり、はたまた5ドア化してスペースユーティリティを向上させる等の様々な計画が出たことも。
アウディTT復活の可能性は限りなく低い
なお、アウディTTは「ピュアエレクトリックカーとして蘇る」という話があったものの、スポーツカーという人気が失われつつあるセグメントにおいて、さらに「高価になりがちな」EVにてこれを投入するのは(常識的に考えて)得策ではなく、おそらくはこのまま「消えてしまう」ことになるのかもしれません。
参考までに、アウディ上層部も「TTやR8の役割はもう終わった」とコメントしており、つまりこれらスポーツカーの居場所はもはやアウディには存在しないという意味の発言を行なっています。
たしかにここからTTやR8を継続したとしても、これまでにそれらモデルが築いてきた輝かしい功績と同様の未来を構築できるとは考えられず、よってこのまま「消えゆく運命にある」と考えるのが妥当かと思われます。
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