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| レクサス LFA コンセプト発表:伝説がバッテリーEVで蘇る。GR GTと共有する魂の継承 |
「LFR」ではなくまさかの「LFA」
レクサスが数カ月にわたるティーザーキャンペーンを経て伝説のスーパーカー「LFA」の名を冠したバッテリーEVコンセプトモデルを世界初公開。
これは単なるオマージュモデルではなく、「トヨタの技術継承の思想の下、GR GTと共に開発された電動化時代の本物のフラッグシップスポーツカー」の青写真。
ここでは「Lexus LFA Concept」が意味するもの、そのデザイン哲学、そして内燃機関を超える「没入体験」の可能性について考えてみようと思います。
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Lexus LFA Concept が伝える3つの真実
- LFAの名は「精神」の象徴:内燃機関に縛られず、各時代で次世代に継ぐべき技術を体現する車に与えられる名称として復活
- GR GTと兄弟開発:オールアルミフレーム、低重心パッケージ、空力追求の3要素を共有。一つの思想から生まれた「ツインのフラッグシップ」
- BEVならではの「没入」を追求:モーターの特性とパッケージの自由さを活かし、運転操作そのものへの没頭感(Discover Immersion)を創出
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GR GTと対を成す「電動化時代のLFA」という解答
今回の発表で最も重要な点は、Lexus LFA Conceptが同日に発表されたトヨタGR GT/GT3とは別物ではなく、同じ開発思想から生まれた「電気(BEV)という解答」 であること。
豊田章男会長の「クルマ屋が残すべき技術・技能を次世代に受け継ぐ」という思いを共有しつつ、GR GTが「V8ハイブリッドという進化形」を追求したのに対し、LFA Conceptは「電動化の本命であるBEVで、スポーツカーの価値をどこまで高められるか」に挑戦しています。
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そしてパワートレーンに決定的な違いがあるものの、両者は「走りの楽しさ」という共通の目的地へ、異なる思想と技術ルートで向かう兄弟車ということになりますね。
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「Discover Immersion」:BEVが可能にする新しい没入感
このLFAコンセプトのキーワードは「Discover Immersion(没入を発見せよ)」。
内燃機関車とは異なるBEVの特性を、単なる欠点補完ではなく、「より純粋な運転体験への近道」として捉え直しています。
- 静粛性:エンジン音の不在を風とタイヤの音、車体の振動といった「より直接的な路面との対話」へ変換するチャンス
- 低重心・重量集中:床下配置のバッテリーにより、より理想に近い低重心と重量集中を実現
- パッケージの自由度:エンジンやトランスミッションの空間的制約が減り、デザインと空力性能の追求に集中できる
つまるところ、EVを「ガソリン車の代替」と考えず、EVならではのメリットを活かし、EVでしかできないことを追求したスポーツカーというわけですね。※「電動化=妥協」ではなく「電動化=新しい価値の創造」というメッセージを実際の商品線で示す強力な布石となるであろうとも考えられる
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スペック・デザインと市場における位置付け
Lexus LFA Concept 主要諸元
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ボディサイズ | 全長4,690mm × 全幅2,040mm × 全高1,195mm |
| ホイールベース | 2,725mm |
| 乗車定員 | 2名 |
| パワートレイン | バッテリーEV(詳細未公開) |
| 骨格 | オールアルミニウムフレーム(GR GTと共有技術) |
| 開発思想 | 「低重心」「軽量・高剛性骨格」「空力性能の追求」をGR GTと共有 |
| コンセプト | Discover Immersion(没入感の発見) |
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デザイン:継承と進化
デザインは初代LFAが持つ「官能的で有機的な造形美」を継承しつつ、BEVというキャラクター、現代的な美意識によって解き放たれています。
- エクステリア:ノーズからリヤへ流れる長いボンネット、そして可能な限り後退させられたキャビンによる「正統派FRクーペ」のプロポーションを堅持。これはエンジンがないBEVであっても、「運転者が車体の中心に位置する」というスポーツカーの本質的価値を重視した結果であり、空力性能と造形美の融合が追求されている
- インテリア:GR GTと同様の理想的なドライビングポジションを採用。極限までシンプルに切り詰められたコックピットは、運転以外のあらゆる要素を排除し、ドライバーを「運転そのもの」に没入させるための空間である
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H結論:これはコンセプトカーではない。レクサスが電動化時代に放つ「宣言」である
レクサスLFA Conceptの公開は、単に一台の未来のスポーツカーをイメージさせるためだけのものではなく、それはレクサス、ひいてはトヨタグループが「電動化という大変革期においても、 「運転する喜び」という自動車の根源的価値を最優先し、技術の全てを注いでいく」という確固たる決意の表明。
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「LFA」の名前を使うということは、並大抵の覚悟ではできるものではなく、それは初代LFAが成し遂げた「日本のモノづくりで世界の頂点に挑戦する」という使命を、バッテリーとモーターという新たな武器で再び果たそうとする意思表示でもあるわけですね。
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2027年頃のGR GT発売と合わせ、その後に続くであろうこのLFA Conceptの量産モデルは”内燃機関と電気駆動”、二つの頂点をトヨタグループが同時に手中に収めることを意味しており、ぼくらはまさに「歴史が動く瞬間」を見届けることになるのかもしれません。
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参照:TOYOTA





















