| どう考えても売れる要素が1ミリもない |
すでに日本では忘れ去られた感のあるセグウェイ。
あの2輪の電動立ち乗り車のことですが、2001の発売前にはどんなモノなのかわからないままにプロモーションが展開され、しかし「パソコンやインターネット並みの発明」「人類の行動形態を変える」など様々なウワサが(セグウェイによって)流されることになり、期待度MAXの状態デビューしたのが「アレ」だったわけですね。
価格は50万円オーバー、しかし時速19キロしか出ないという意味不明な乗り物で、歩行者でも自動車でも自転車でもなく、多くの国では公道で走行できないという判断が下されてしまい、ほとんど売れないまま現在に至ります。
そんなセグウェイが起死回生の一発を放つ
そんなセグウェイですが、今回(おそらく上海モーターショーにて)Apex H2なる電動バイクを発表する模様。
いくつかのティーザー画像がリリースされており、これを見るとSF映画に出てきそうなスタイリッシュなデザインを持っているように思えます。
スペックとしては「最高速150km/h、0−100km/h加速4秒以下、60kW(80馬力)」というもので、なかなかの高性能ぶりでもありますね(一回の充電あたり航続可能距離は不明)。
動力源は「水素燃料電池」
そして驚くべきは動力源が水素燃料電池+エレクトリックモーターということですが、正直なぜ動力源に水素を選んだのかは全く不明です。
なお、セグウェイは最初に発売した2輪電動立ち乗り車についてもマーケティングの失敗が指摘されており、価格の高さ、世界の法規を考慮していないこと、駐輪の問題、そもそも自転車に対してなんら優位性を持たないことなどがその理由。
そしてぼくは、今回のApex H2についても正直同じ失敗を繰り返すのでは、とも考えています。
セグウェイApex H2の価格は117万円
なお、このセグウェイApex H2の価格は69,990元(日本円で117万円)。
中国にはもっと安価な(下手すると100分の1くらいの価格の)電動バイクが普及しており、さらに「テスラよりも売れた」という宏光ミニEVの価格はセグウェイApex H2の半分以下となる48万円。
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つまりApex h2について、中国ではかなり高価な乗り物ということになり、そしてバイクは「単なる移動手段」であって、スポーツバイクに乗るというアクティビティがそもそも一般的ではなく、セグウェイApex H2は「クルマを購入する余裕がない人が買う」にしては高すぎ、裕福な人には「スポーツバイクに乗る習慣がなく」、誰が買うのか全く不明な製品ということになります。
おまけにステーションが少ない「水素燃料電池」を採用するというミステリーも存在し、発売前ではあるものの、「まあ売れないだろうな・・・」と考えています。
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