| 0−100キロ加速は3秒、航続可能距離は623キロ |
ジャガーが出資したことで一気に有名となったエレクトリックバイクメーカー「Arc」。
以前にはその第一号となる「ヴェクター(Vector)」のプロトタイプを公開していましたが、今回はそのプロダクションモデルをお披露目し、その詳細についても発表しています。
生産開始は2020年、そして生産地は英国サウスウェールズ。
そして驚きなのはその価格で、なんと「1300万円」。
生産台数は399台に制限される、とのこと。
Arcに投資を行ったジャガー・ランドローバーは「我々のミッションは、新しい世界におけるプレミアムモビリティにおいて存在感を示すこと」だと述べていて、より感情を揺さぶり、人びとが純粋に「欲しい」と思うような製品を世に送り出す事だとしています。
ジャガー自身、将来的にクルマがエレクトリック化され、かつ自動運転化されてしまうと「個人でクルマを持つ意味」が薄れ、そういった時代でも「お金を出して個人が欲しいと思う」製品を作る必要があると以前に述べていますが、今回のバイクについても同様の考え方だと言えそうですね。
ARCヴェクターはもっとも先進的なバイク
Arcいわく、このヴェクターは「もっとも先進的なエレクトリックバイク」と主張しており、その理由としてカーボンモノコックフレーム(GPバイクよりも剛性が高いとされる)、革新的なヒューマンインターフェース、ハブセンターステアリング等を挙げています。
そしてArcの目的は「パワーに溢れ、機敏な」エレクトリックバイク。
しかし同時にライダーに対してはフレンドリーである必要があるとも語っており、そのために数々の新基軸を盛り込んでいるようです。
なお、このヴェクターの価格を見ても分かる通り、エレクトリックバイクは「かなり価格が高くなる」傾向にあるのがちょっとした問題。
これはひとえに販売台数が見込めないためだと思われますが、ハイパフォーマンスバイクにおいて開発コストを見込めるだけの数を売るのは非常に難しく、したがって「エレクトリックカー」が一般化しても「エレクトリックバイク」が一般化する日はまだまだ先になるのかもしれません。
もともとバイクは構成が簡素であり、エレクトリック化したとしても「コストダウン(エレクトリック化で省けるエンジンやトランスミッション、エキゾーストシステムなど)」できる範囲が小さいこと、それに比してバッテリーが車体に占める価格が高くなるため「かなり割高な」製品になってしまうのでしょうね。
反面、動力源を「バッテリーとモーター」に絞ることで現在のレイアウトにとらわれる必要はなく、「インホイールモーター」とすることで根本的に今のバイクとは形状が異なる乗り物を作ることも可能(まさに”金田バイク”が実現する)。
話をこのアーク・ヴェクターに戻すと、「133馬力のシングルモーターに399ボルトバッテリー」を核とし、重量は220キロ。
現代のスーパースポーツバイクよりはちょっと重い数字ではありますね。
パフォーマンス面だと、0−100キロ加速は3秒フラット、最高速度は時速201キロ。
一回の充電当たり走行可能距離は市街地で623キロ、高速道路だと370キロとされるので、けっこう実用的だと言えそうです。※ガソリン車とは逆で、高速道路のほうが消費電力が大きい
なおブレーキはブレンボ、ショックはオーリンズという「ハイパフォーマンスバイクの定番」。