| 中国国営だけに、実現のための資金はありそう |
今年のフランクフルト・モーターショーは、フェラーリはじめいくつかのメジャーメーカーが「欠席」したことで話題となりましたが、逆に存在感を強めたのが中国勢。
大小いくつかのブランドがフランクフルトの地を踏んでいるものの、おそらくもっとも大きなブランドは「紅旗(ホンチー)」。
なお、この紅旗は中国共産党幹部御用達のクルマとしても知られ、先日大阪で開催されたG20にも紅旗のリムジンが何台か運ばれていますね。
ちなみに紅旗は中国の国営、かつ中国最古の自動車メーカーである「中国第一汽車集団」が持つブランドの一つ。
ちなみに現行のフラッグシップモデル「L5」はこんなクルマで、中国らしく、”赤い”トサカが特徴的です。
今回紅旗が展示したのは「ハイパーカー」S9と「ラグジュアリーSUV」のE115(上の画像)。
それぞれどういったクルマなのかを見てみましょう。
デザイナーはロールスロイス出身
紅旗は、ロールスロイスにて都合7年、うち6年間はチーフデザイナーを務めたテイラー・ジャイルズ氏を獲得済み。
よって今回のS9、そしてE115も同氏の作品もしくは監修と見るのが妥当(でないと紅旗はテイラー・ジャイルズ氏を迎え入れた意味がない)。
そしてこの紅旗E115はなんとなくロールスロイス・カリナンを連想させますが、もちろんカリナンもテイラー・ジャイルズ氏の作品なので、それも当然なのかもしれません。
パワートレインはフルエレクトリックで一回の充電あたり走行可能距離は600キロ、駆動方式は4WD、そして0-100キロ加速は4秒以下(ただしそのシステムの詳細は公表されていない)。
室内は全く見えず、ホイールの内側も見えないようにカバーで覆われているので、今の段階では「ハリボテ」なのかもしれません。
ただ、上述のように、紅旗は中国国家が進める高級ブランドでもあり、その強力な推進力、そして豊富な資金を背景に、このE115の市販化を推し進めてくるだろう、と考えています。
紅旗「S9コンセプト」は純中国産ハイパーカー
そしてもう一台の「S9コンセプト」は紅旗初の内製ハイパーカーで、”V8T”なるハイブリッドシステムを持ち、これはV8ターボエンジンに複数のエレクトリックモーターを組み合わせたもの(こちらも詳細は公開されていない)。
最高出力は1,400馬力、0-100キロ加速は1.9秒という世界最高峰の性能を誇ります(これより速いのはリマックC_Twoの1.85秒しかない)。
驚くべきは、このS9コンセプトは実際に市販に移されるということで、その価格は約2億4000万円程度になる、とのこと。
正直「誰が買うのか」と疑問に感じますが、中国の富豪が愛国心から購入するのか、それともやはり性能や信頼性重視でパガーニやケーニグセグを買うのかは注目したいところです(それよりまず、発売されるかどうかも疑問)。
「紅旗」のフォントがいかにも中国的ですね。
インテリアは一応完成している模様。
ウインドウ類はフラッシュサーフェス化されています。
テールパイプの上に燦然と輝く「紅旗」エンブレム。
なお、中国には「中国で作られたクルマには漢字のエンブレムを装着せなばならない」という決まりがあるそうですが、やはり国営の紅旗が(いかにそれがハイパーカーであっても)守らないわけにはゆかない、ということなのでしょうね。
プロモーション動画はいかにも中国っぽかった
そして今回紅旗はS9コンセプトのプロモーション動画も公開。
その内容はまさにスペクタクルで、大地が割れたり・・・
戦闘機が登場したり・・・
謎の黒い箱が登場したり、とやたらに大きなスケールを感じます。
こちらがそのプロモーション動画。
VIA: Futureworks