中国のEV/PHEV専業メーカー、BYDの成長が止まらない！自社でバッテリーの生産を行うことからEVの量産ができ利益も高く、生産台数ではすでにテスラを抜いたもよう

｜ 現在の状況では「バッテリーを持つものが」もっとも強いようだ ｜

さすがはウォーレン・バフェットが投資を行うだけのことはある

さて、中国のBYD（比亜迪股份有限公司）の躍進ぶりが恐ろしいと話題に。

このBYDはかつてガソリン車も販売していたものの、突然クリーンエナジーを押し出した方向へとシフトし、現在販売しているのはEV、PHEV、水素自動車を含むNEV（新エネルギー車）のみといった割り切ったブランドです。※親会社がバッテリーの生産を行っていたことから2008年にエレクトリック化へと舵を切った

グループ全体としては自動車の他にバッテリーや電車、家電など様々な製品を手掛けていますが、かのウォーレン・バフェットが出資していることでも知られており（やはりバフェットの目に狂いはなかった・・・）、文字通りの「成長株」で、創業者の王伝福は中国No.1の資産家としても有名です。

なおBYDが現在中国にて販売している乗用車は「秦Pro」「唐」「宋」「元」「漢」という王朝の名を持つこともひとつの特徴。

BYDは新エネルギー車のリーダーに

そして最新の報道によれば、BYDは今年上半期にEV、PHEV、水素自動車を含むNEVを64万1350台販売しており、これは前年同期比314.9％の増加であるほか、上半期に56万4000台のEVを販売したテスラよりもさらに「上」。※BYDの販売はEVのみで構成されているわけではないので、単純にテスラとは比較できない

さらにBYDは最近の投資家向けビデオ会議にて、今年のNEVの販売台数が最大で120万台になる可能性に触れており、構成としては「60万台のEVと60万台のPHEV」だとされています。

なお、ちょっと不思議なのは、多くの自動車メーカーがバッテリー含むEVの製造にかかるパーツの入手に苦しんでいるにもかかわらず、BYDはそういった苦労なしに車両を生産できているのかということですが、これはやはり自社でバッテリーを製造しているからなのかもしれません。

現在多くの欧米のメーカーがバッテリーを「サプライヤーから」調達しており、そのほとんどは中国経由だとも報じられ、しかし中国のバッテリーメーカーは、おそらく国策として「中国の自動車メーカーへと優先的にバッテリーを渡す」ように政府から支持を受けているんじゃないかと考えていて、もしそうだとすると、この状態はかなり危険だと言えそう。

実際のところ、こういった「中国のサプライヤーが自社の車両生産を左右する」状況に危機感を募らせる自動車メーカーも少なくはなく、そういったメーカーは韓国のサプライヤーへと乗り換えたり、韓国のサプライヤーとともに合弁にて工場を設立する場合もあるようです（GMなど）。

BYDは思ったよりもずっと速く成長することになりそうだ

参考までに、先日ブルームバーグの調査部門が（現在の状況をもとに）2025年のEV勢力図を作成しましたが、BYDの成長スピードは「現状から予測できる」よりもかなり速いペースでもあり、実際の2025年のEV業界はこの予想とは全く異なるものとなるかもしれませんね。

なお、BYDはリチウムイオンバッテリーの生産量では現在世界第三位の規模を誇っていて、自社でバッテリーをまかなえるという事情からか非常に利益率が高いことでも知られており（どうりで創業者が中国一のお金持ちになるわけだ・・・）、このまま販売を伸ばしてゆくと、これまたとんでもない利益を生み出すことになり、さらにその資金にモノをいわせた展開を行うことで、中国のみならず世界の自動車業界を牛耳ることになる可能性もありそうです。

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参照：Car News China