Image:Morgan
| モーガンは長い間、伝統の手法によって「手作り」によるクルマの生産を続けてきた |
スリーホイーラーに加え、ついに木製フレームも時代の波に飲まれる
さて、現代では非常に珍しい「古い歴史を持つ(つまり買収されていない)、創業者一族によって運営されている自動車メーカー」、モーガン。
実に115年の歴史を持ちますが、「たまに」ニューモデルを発表することでも知られ、実際に昨年には新しいアルミニウム製製シャシーを採用した「プラスフォー(Plus Four)」を市場へと投入しています。
そして今回モーガンが発表したのが従来のプラスシックス(Plus Six)が生産終了を迎えること、そしてそれにともない最終限定モデルが登場するということ。
モーガンのプラスシックス 特別仕様車「プラスシックス・ピナクル」はこんなクルマ
そこでこのプラスシックス最終記念限定車「プラスシックス・ピナクル」を見てみると、これは”6気筒モデルと50年にわたる(木製)シャシーの歴史に別れを告げるため”に様々な(モーガンの)想いが込められたクルマ。
同社のカスタムサービスと長年にわたる開発の成果を示しており、まずモーガンはこの世代のクルマを「伝統的な翼のシルエットを持つ」と表現していますが、これはフロントフェンダーのカーブを指しており、実際にこのデザインは1968年にV8エンジンを搭載した「プラス8」にて初め採用されています。
その後2019年に登場したプラスシックスは、新しいアルミフレームを採用つつも、モーガンらしくアッシュ材(トネリコの木)を使った構造で車体を支えており(モーガンは木製フレームを使用してきたことで知られる)それまでの4.8リッターV8エンジンに替えてBMWの直列6気筒ターボエンジン(B58B30)積むなど近代化されたことが大きな特徴。
この「プラスシックス・ピナクル」は30台のみの限定販売となり、購入者は追加料金なしで好きな塗装色を選ぶことができるといい、内装の選択肢は3つ、そしてすべて新色のレザー仕上げ(淡いタンカラーの「フォーン」、柔らかいブルーの「リヴィエラ」、そして濃いブラウンの「エクスプロア」)、さらにシートカラーに合わせたシープスキンカーペットが装備されています。
さらにこの内装には、モーガンのデザインチームが新しく考案したステッチパターンが施され、これは細かい手縫いが求められる複雑なデザイン。
フロントシートにはモーガンの「ピナクル」ロゴが刺繍されていますが、このロゴは工場周辺の丘からインスピレーションを得たものだといい、加えてこのロゴはセンターコンソールにも施されることに(アルミニウム多用されていることもこの限定モデルの特徴である)。
なお、すべての車両には、マルバーン・リンクにある工場での製造過程を写真で記録した「ビルドレコード(つまりアルバム)」が標準装備され、レーシングナンバーや(荷物を載せるための)ラック、スポットライト、さまざまなグリルデザインやトップの素材といったカスタマイズオプションも提供されるようですね。
上述の通り、この「プラスシックス・ピナクル」は旧シャシーを使用するモーガンの”最終バージョン”となりますが、モーガンは2025年に全く新しいフラッグシップモデルを発表する予定となっており、そこでは全く新しいモーガンを見ることができるものと思われます。
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