| ヒュンダイは新しいデザイン戦略を採用 |
ヒュンダイのデザインディレクター、ルク・ドンカーヴォルケ氏は以前に「今後ヒュンダイの”つまらない”デザインを変える」と発言していますが、今回は(以前にジュネーブで発表されたコンセプトカー、Le Fil Rouge(ル・フィル・ルージュ)のアップデート版を発表する、とアナウンス。
ル・フィル・ルージュは流麗なシルエットを持つ4ドアサルーンで、これをさらに「ヒュンダイらしく」リフレッシュする、ということですね。
その戦略とは「ヒュンダイ・ルック」
なおヒュンダイはデザイン、マネージメント、エンジニアリングにおいて自動車業界から多数の人材を獲得しており、経営面だと前ランボルギーニ副社長、エンジニアリングだとBMW M部門の前責任者、デザイン部門だとベントレーのデザインチームはじめとして前ランボルギーニのデザイナーであるルク・ドンカーヴォルケ氏(ムルシエラゴ、ガヤルドをデザイン)、ブガッティ・シロンのデザイン考案で知られるサシャ氏など多数を引き抜き。
さらに戦略としてはハイパフォーマンスカー部門「N」にてBMW MパフォーマンスやメルセデスAMG、アウディ・スポーツに対抗し、さらにはスーパースポーツにも進出予定。
販売面では「価格を抑えて市場浸透を図る」という韓国企業によく見られる戦略を取っており、あらゆる自動車メーカーにとって「脅威」となりうる状態。
加えて北米市場においては、販売において大きな影響力を持つ「コンシューマーレポート」での高得点を獲得できるような(そこに特化した)車作りを行うなど、とにかく「売るため」にはなんでもする、という状況となっています。
ちなみにヒュンダイの韓国人デザイナー、サンヤップ・リー氏はドイツの自動車メーカーが採用する「金太郎飴(マトリョーシカ)デザインについて強く批判しており、ワールドワイドに様々なモデルを展開する自動車メーカーにとって「金太郎飴は価値のあるソリューションにならない」とも。
さらにル・フィル・ルージュはこれからのヒュンダイデザインにおける「クイーン」になりうるとしており、新しく登場させるコンセプトカーは「ビショップ」と例えています。
これはもちろんチェスのコマに例えたものですが、「キング、クイーン、ビショップ、ナイトいずれも役割が異なる」ものの「集まればチームになる」ことを挙げ、「これが我々の戦略だ」とも。
なお、これは「ヒュンダイ・ルック」と呼ばれており、戦略的に組み上げたものであり、構成内容が似ている「ファミリー・ルック」ではない、と自信満々。
ヒュンダイはこれからコンパクトカーやSUV、サルーン、そしてスーパースポーツを登場させることになると思われますが、これまで獲得した人材の経験が次世代の製品に反映されるのか、しかと見届けたい、というところですね。