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シュコダが1970年代の名車「110 R」をEVとして復活?未来的でカッコいいRWDクーペのデジタルコンセプトが公開

シュコダが1970年代の名車「110 R」をEVとして復活?未来的でカッコいいRWDクーペのデジタルコンセプトが公開

Image:Skoda


| 日本では馴染のないシュコダではあるが |

1970年代の名車が未来へ――シュコダ「110 R」が電動クーペとして蘇る

クラシックモデルの再解釈が自動車デザインの新たなインスピレーションとなることは少なくなく、今回シュコダのデザイナーが手掛けた最新のデジタルコンセプトもそのひとつ。

1970年代の伝説的クーペ「110 R」を、完全電動パワートレインと近未来的なデザインで現代に蘇らせた「RWD(後輪駆動)クーペ」が注目を集めています。

なお、このシュコダ(シュコダ・オート=Škoda Auto)は、チェコ最大の自動車メーカーで、現在はドイツのフォルクスワーゲン・グループ傘下にありますが、120年以上の歴史を持つ、世界でも最も古い自動車ブランドとしても知られます。

日本では正規輸入されていないために知名度がいまひとつ低いものの、ヨーロッパでは信頼性、実用性、コストパフォーマンスの良さから高い人気を誇るブランドでもありますね。

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オリジナル「110 R」とは?東欧を代表する手頃なスポーツクーペ

オリジナルの110 Rは、1970年に「100セダン」をベースに誕生した2ドアスポーツクーペ。

リアに搭載された1.1リッターエンジンは61psを発生し、4速MTで後輪を駆動。パワーは控えめながらも、東欧市場で「手頃で味わい深いスポーツカー」として高い人気を博しています。

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デザイナーの挑戦:「レトロ」ではなく「本質」の再解釈

このデジタルコンセプトを手掛けたのは、2023年にシュコダへ加入したデザイナー、リチャード・スヴェク氏。

イタルデザインでの経験を持つ彼は、「110 R」の魅力を表面的なレトロデザインではなく、プロポーションとボリュームのバランスという“本質”から再構築しています。

完成したモデルは、ロー&ワイドな2ドア2シーターのファストバッククーペ。

コンパクトな車体とスポーティなスタンスを持ち、オリジナルを彷彿とさせるヘッドライトは、シャープな長方形のシグネチャーとして現代的に解釈されており、ボディ同色の格納式ライトカバーや「Tech Loop」と呼ばれる新デザイン要素も採用され、未来的な顔つきに仕上がっているように思います。

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中心に向かって絞り込まれる前後のラインが新しく、ブラックバンド(これがおそらくは”Tech Loop”)の中にランプ類(とおそらくはカメラも)などの機能を集約するという考え方は、フェラーリ 849テスタロッサと同様であるとも考えられます。

さらにはかつての110Rのリヤフェンダー上にあるダクトを再解釈したディティールがいいアクセントとなっており、非常に魅力的な一台であるとも考えています。

なお、110 Rのダクトは「リアエンジンゆえ」ですが、新しいコンセプトモデルは「EV」であるため、このサイドインテークはバッテリー冷却用として機能するのだそう。

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モータースポーツのDNAを受け継ぐディテール

さらにはクラシックモデル(110 R)のレース仕様を思わせるブリスターフェンダーやセンターロック式ホイール、ボンネットのリブ、ロールケージといったディテールも見逃せず、しかも(リアウインドウから見える)ロールケージは「左右非対称、ピンク」といったユニークさも。

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EVパワートレインとFRレイアウトの融合

現段階で(EVであるということ以外)パワートレインの詳細は明かされていませんが、オリジナル同様の「後輪駆動(RWD)」を想定。

現行のEV SUV「Elroq」や「Enyaq」に採用されているエレクトリックモーターを流用すれば、最大出力282ps(210kW)程度が期待でき、コンパクトで軽量な車体と組み合わせることにより、110 Rの伝統を受け継ぐ俊敏なハンドリングとピュアな走りが実現する可能性が考えられます。

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市販化の予定はなし、しかし未来の方向性を示す存在

この110 R EVクーペはあくまでデジタルスタディとして開発されたもので、市販化の予定はないといい、しかしこのプロジェクトは「利益を確保できれば、シュコダはより情熱的なニッチEVを提供できる」という未来へのひとつの「可能性」。

110 Rの魂を宿すこのコンセプトは、ブランドのヘリテージと未来をつなぐ“デザインの架け橋”と言えそうですね。

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