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しばらくポルシェ718ケイマンに乗ってみた印象を述べてみる。以前に乗っていたアウディTTとはどう違う?

2019/05/14

| ドライバビリティはポルシェ718ケイマンが上、それ以外はおそらくTTのほうが全般的に優れる |

さて、早いものでポルシェ718ケイマンが納車されてから8ヶ月以上が経過。
その間の走行距離は約15000キロとなっています。
用途としては日常の移動手段であり、その前に乗っていたアウディTTと同じ。

よって使い方や走る道などもTTと同一ということになり、主にTTと比較して「どうなのか」、その印象を述べてみようと思います。

運動性能は圧倒的にポルシェ718ケイマンのほうが上だ

まず運動性能について、これは言うまでもなくポルシェ718ケイマンのほうが上。
エンジンは同じ2リッター4気筒ターボですが、アウディTTは220馬力くらい、718ケイマンは300馬力。

出力はもちろんのこと、足回りやブレーキ、ハンドリングについてもやはりケイマンのほうが楽しく、「操っている」感があると感じます。

一方で、ぼくの乗っていたアウディTTは4WD(quattro)だったので安定感に優れ、高速道路の走行、雨天や積雪時の走行においては圧倒的に安心感があったのもまた事実。

気を使わずに、より安全に、より速く走れるのはおそらく「アウディTTの方だろう」と考えていますが、ポルシェ718ケイマンはそれなりのスキルを要求されるものの、「運転する楽しさ」というリターンは大きいということになりますね。

なお、アウディTTのブレーキは効きが唐突で、しかし踏み込んだときの効きが甘く、「ブレーキで車体をコントロールするのは難しい」という印象も。

TTはラフな操作も許容する反面、繊細な操作を意味をなさないという印象があり、ドカンとアクセルを踏んで、ガツンとブレーキを踏んで、グイっとステアリングホイールを切れば「速く走れる」クルマ。

ポルシェ718ケイマンの場合は、そういったラフな操作を許さず、クルマとの対話によって、つまりクルマから受け取ったインフォーメーションに応じ、適切な操作を行わなければ速く走れない、と感じています。

インテリアは圧倒的にアウディTTだ

そしてインテリアについては全般的にアウディTTのほうが優れる、と考えています。
それはバーチャルコクピットに代表される先進装備から受ける印象が大きく影響していますが、それに対して718ケイマンの場合は「クラシカル」。

TT

加えて718ケイマンではPDKセレクトレバーの「ポジション」が透過光にて発光しないので、夜間はシフトポジションを(シフトレバー付近にて)目視できず、「勘とインジケーター」に頼ることになります。

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ただし718ケイマンのシートは恐ろしくできが良く、これはアウディTTとは比較できないレベル(ポルシェのシートは代々非常に優れる。レカロと関係があったことも影響?)。

その他の部分も「シンプルで、パっと見にはその良さがわからない」という印象はあるものの、「あるべきところにあるべきものがある」操作系を持ち、地味ながらもすぐに馴染めるインターフェースを持つようですね(アウディTTは先進的な装備を持つ最新のホテル、ポルシェ718ケイマンはシックな内装を持つ格式あるホテル、という感じ)。

ポルシェ718ケイマンの実用性はけっこう高い

なお、ポルシェ718ケイマンはミドシップ2シーターで、アウディTTはフロントにエンジンを持つ4シーター。
よって室内の広さには大きな差がありますが、「トータルで積める荷物の量」に大差はないと考えていて、というのも718ケイマンのリアトランク、フロントトランクは「巨大」だから。

室内にあまり荷物を置けないということを除くと、718ケイマンの使い勝手は望外にいい、と考えています。

「2シーターは不便じゃろ?」とよく聞かれるものの、ぼく自身は「とくに困ったことはない」というイメージを持っており、たぶんこれからも困ることはないかもしれません。

安全装備は今後のポルシェの課題だ

そして最後に「安全装備」ですが、これは圧倒的にアウディTTのほうが上。
オプションにはなるものの、ブラインドスポットモニターやマトリクスLEDが用意され、中にはポルシェに「オプションでも用意されない」ものも。

ポルシェは昔から多くをドライバーの運転技術に委ねるところがありますが、それは718ケイマンでも同じで、TTから乗り換えると「あの装備がケイマンにもあったらな」と思うものも多数。※とくにマトリクスLEDは非常に便利だった

ただしポルシェは最新モデルの911(992)でこのあたりを大きく改善しており、アウディが持つ技術を取り入れているようなので、ポルシェ自身もこの「弱さ」を認識していて、今後改善してゆくのだろう、と思わせます。

加えてポルシェならではの特殊性をカバーするための「ウェットモード」を新型911で採用するなど、ポルシェはその安全性を急速に高めており、もともと高いレベルにある車両制御技術に加え、「予防安全」についても一気に進化しそうですね。

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