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| ランボルギーニは「よほどのことでない限り」顧客主導のカスタムには制限を設けない意向 |
一方、フェラーリやブガッティは「行き過ぎた、独特すぎる」カスタムを制限
さて、ランボルギーニはモントレー・カーウィーク2025にて新たなフューオフ(超少量生産)モデル「フェノーメノ(Fenomeno)」を発表していますが、これはベースとなるV12ハイブリッドスーパーカー「レヴエルト」をさらに強化し、最高出力を1,065馬力(標準比+64hp)にまで高めたクルマ。
価格は未公表なるも、およそ350万ドル(約5億円)だと見られ、生産台数はわずか29台に絞られるという超限定モデルです。
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ランボルギーニ フェノーメノ──「29人の富裕層のための1台」
ランボルギーニのデザインディレクター、ミッチャ・ボルカート氏によれば、フェノーメノは「29台すべてが異なる仕様で生産される」。
各オーナーがイタリアに赴き、専用の打ち合わせを行い、それぞれの個性を反映した仕様に仕上げられるそうですが、発表時に披露された車両は「ジャッロ・クリウス(Giallo Crius)」と呼ばれる鮮烈なイエローを纏っていたものの、ランボルギーニはオーナーに対して専用アプリを用いて20種類のレンダリング例も公開し、顧客へのインスピレーション源としているのだそう。
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「アド・ペルソナム」で展開される5つの世界観
ランボルギーニは今回のレンダリング例を以下の5カテゴリーに分類しており、上4つはこれまでのモデルでも示してきたラインアップではありますが、「スターダスト」は”目新しい”ように思います。
- Sportiva(スポルティーバ)
- Lifestyle(ライフスタイル)
- Tecnica(テクニカ)
- Eclettica(エレットリカ)
- Stardust(スターダスト)
各仕様には、鮮やかなボディカラー、アクセント、リバリー(レーシング風の装飾)、ホイールの色、インテリアテーマが盛り込まれ、たとえば以下のような例も示されているといい、他の自動車メーカーでは「ちょっと考えられないような」例でもありますね。
- ヴィオラ・プロセルピナ(ピンク×ブラック×ホワイト)
- ネロ・グラヴァスター(パープル×ブラック×ホワイト)
- ブロンズ・ザンテ(ブロンズ×ブラック×グレー)
なお、ブガッティそしてフェラーリは「今後、顧客による”自由すぎる”カスタムを制限するとも語っていますが、一方のランボルギーニは「制限」どころか顧客のインスピレーションを刺激し、より自由な方向性にてカスタムの可能性を広げようとしているようにも思えます。
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参考までに、ランボルギーニは「フェラーリが(意にそぐわないカスタムを行う)ジャスティン・ビーバーをブレックリストに入れた」ことを受け、「カスタムに制限を設けない」ともコメントしていますね。
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デザインを通じて学ぶ「文化的背景」
加えて、ミッチャ・ボルカート氏は「顧客の要望から学ぶことも多い」と語ります。
- 紫色:バチカンではネガティブな意味合いを持つが、世界的には人気色
- ピンク:個人的には好みでなくとも、日本では重要な意味を持つ※フェラーリは絶対にピンクを許可しないと言われている
- 29という数字:日本語では「福(フク)」と読めるため「幸運の数字」
このように文化的背景を理解しながら、オーナーの希望を最大限反映させることが、フェノーメノの魅力の一部となっているようですね。
フェノーメノは「エレガンス」と「エキセントリック」の両立
現時点では具体的な注文内容は明かされておらず、しかしミッチャ・ボルカート氏によれば「エレガントな仕様もあれば、リバリーやナンバー入りのレーシング的な装飾を選ぶ顧客もいる」とのこと。
ランボルギーニは顧客の自由な発想を尊重しながらも、ブランドとして「品位ある仕上がり」になるよう監修していくとしていますが(さすがに若干の”指導”を行うようだ)、もし将来29台すべてが一堂に会することがあれば、まさに“カラーエクスプロージョン”と呼ぶべき圧巻の光景となりそうですね。
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まとめ──ランボルギーニが描く「究極のオーダーメイド」
フェノーメノは、単なる限定スーパーカーではなく、オーナー一人ひとりの夢を具現化するキャンバスといえる存在。
V12レヴエルトをベースにしながら、出力・デザインともに「究極の個性」を宿すこのモデルは、ランボルギーニのフューオフ戦略の象徴であり、今後の「超限定車」市場の在り方を示すものとなりそうです。
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参照:Lamborghini, CARBUZZ