ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4が納車されてしばらく経った。冷静にガヤルドを見てみよう
ガヤルドの室内は意外と使い勝手が良く作られている
ランボルギーニ・ガヤルドの室内における全体的な印象としては、さすがにフルレザーだけあって高級感を感じる、というもの。ただし、ドリンクホルダーが無かったり(パッケージオプションで77000円)といった不便さはありますね。
しかしながら室内は狭いとも感じず、シート後ろには比較的大きな荷物置き場もあり、グローブボックスも浅いですが奥行きがあり、なかなかに使い勝手が良い、とは思います。
ドアポケットについては浅く、ここへモノを入れると、ドア開閉時に地面に落としてしまいそうになるので要注意。全体的に収納スペースは以前乗っていた986ボクスターSよりも多く、この手の車にしては便利だと感じます。
細かいところでの不満を(あえて)言えば、シートが硬い、メーターが遠く小さいので見難い、スイッチ類が直感的操作を拒む、エアコン吹き出し口のメッキリングがウインドウに映り込む、室内にはメッキとアルミ調そしてブラシ仕上げのような金属パーツが混在して整合性に欠ける、など。
しかしながらそれらは車の魅力をスポイルするほどのものではなく、シートは硬いもののタイトでぴったりと体にフィットしますし、各種スイッチ類はガヤルドならではのデザイン性の高いもので、その他の部分についてもじゅうぶんに許容できる範囲です。
ガヤルド購入以来、「ポルシェを降りる(もう戻らない)のか」ということを良く聞かれますが、正直に言うと、ぼくの中でポルシェの位置づけは「自動車メーカーにおいてはナンバー1」。
もちろん心情的なもの(親しんでいる)もありますが、非常に効率を重視するという社の方針や、日常性を重視してオーナーに負担をかけない、といった方向性が非常にすばらしいと感じているから。
自動車の場合、いくら発生する馬力が大きくても、その馬力を正しく駆動力へ変換できなければ、それは「無駄」とも言えるわけですね。
自動車はそういった「無駄」や「ロス」との戦いであり、特に摩擦は熱や磨耗を生じさせ、耐久性を損ないます。
さらには「空気抵抗」「慣性」といったことも必ず直面する問題であり、静止状態で発生する馬力が大きくても、速く走れるとは限らない、というのが自動車の難しいところ。
そういった意味では、ポルシェは本当に速く走るためには何が必要なのか、また何が不要なのか、を良くわかっているメーカーです。
とくにGT3系はその方向をさらに追及し達成しているわけですが、もちろんそれらを(メディアを通じて)正しく消費者に理解させる、といった手腕にもポルシェは長けているわけですね。先に挙げた馬力同様、いくら良い車を造っても、それが消費者に伝わらなければ、それは「無駄」とも言えるわけです。
ガヤルドを購入したはいいが、よく考えると乗ってゆくところがなかった
良く考えると、ガヤルドを乗ってゆくところなどぼくの行動半径には存在しないわけですね。
現在ぼくが好んで愛用するパーキングメーターを利用するのも恐ろしいですし、やはりホテルに止めてそこから歩いて移動することになりそう。
盗難はあまり気にかけていませんが、やはり傷を入れられたるするのが恐ろしい、と思います。ぼくは板金や塗装をするくらいなら売ったほうがマシ、という考えを持っていますので、なおのこと「傷」については恐れを抱いています。
おそらくガヤルドはその(車を停めた先々という意味の)周辺でもっとも目立つ車となりますので、いたずらのターゲットとしては格好の対象となりそうですが、何かしてやろうという人間の心理からすると、ガヤルドに乗っている人はある種危なそうな人物であることが想像でき、報復を考えるとリスキーでもある、という思考が働くのでは、と考えています。
しかしながら近年は無計画で短絡的な犯罪(思いつきで後先考えない)が多いようですし、とたえば酔った人などはリスクを考えない可能性も。
ガヤルドにおいて、盗難抑止効果となるとドアのところで光るLEDインジケーターくらいしかないのですが、ぼくが思うのは、意外と「フルスモーク」は効果があるんじゃないか、ということです。
フルスモークで車内が見えにくいと、人が乗っているかどうかわかりませんし、わざわざ人が乗っているかどうかを確認するために除きこんだりすることが少ないと思われ、仮にそうしてもその時点で犯罪を犯そうという気持ちが低下してしまって犯罪にいたる可能性が低くなると思うのですよね。
しかしながらフルスモークは違法ですし、ぼくは違法行為を行う気は毛頭無く、最近流行りの電気的にガラス透過率を変えることができる装置を搭載すれば(そして駐車時にはフルスモークにしておけば)、既存のセキュリティシステムよりも効果があるのになあ、と考えたりするのです。炎天下での駐車でも車内温度上昇を抑えることができて一石二鳥なので、ある程度の以上の価格帯に位置する車にはぜひ装備してほしい、と思います。