| フロッグマンは何があってもデジタルを貫くと考えていた |
カシオGショック「フロッグマン」といえば、G-SHOCKのプレミア化を先導したシリーズとして知られますが、なんと今回そのフロッグマンに「初」のアナログモデル”GWF-A1000”が登場することに。
初代フロッグマン(DW-6300)は1993年に登場しており、G-SHOCK初のダイバーズウォッチとしても知られ、実際に身につけて潜水する状態を考慮して左右非対称のケースを持っています。
その後G-SHOCKはフロッグマンのヒットを受け、「マッドマン」「ライズマン」「レイズマン」「ガルフマン」等を発売していますが、ここ最近カシオが積極展開する「MASTER OF G」シリーズの魁ともいえるモデルがフロッグマン。
なぜにアナログ?
そして27年間ずっとデジタルだったフロッグマンが「なぜ今」アナログ化するのかは謎ですが、ぼくが思うに、おそらくは「高価格帯に移行したいから」。
G-SHOCKはデジタルそしてクオーツという宿命のために(いかに高機能化したとしても)高価格化を納得させることが難しく、これまでにも様々な試みを行っています。
樹脂ケースの他にステンレスケースを採用したり、チタンケースを採用したり、カーボンケースやベゼルを採用したりといったことも「試み」に含まれ、加えてプッシュボタンやリューズ、ビス、バックル、遊環といったパーツにおいても高級感を出すためのデザインや仕上げが盛り込まれており、つまりカシオは「どこをどうすれば高く見えるか=消費者に高いお金を払ってもらえるか」を長年の歴史の中で試行錯誤してきた、とぼくは認識しているわけですね。
実際に、安価なモデルだと単なる「プラスネジ」であるビスが、価格が高くなれば「ヘキサ」はじめ様々なヘッドを持っていたり、かつアルマイト(アノダイズド)仕上げがなされたりといった変更も。
これらは機能には関係のない部分ですが、それでもカシオは「どこにコストをかければ腕時計が高く見えるのか」をその経験から理解しているがために、高価格モデルにはそれなりのデザインを与えているという解釈ができます。
そして、「高く見せる」ための理由の一つが「アナログ」であるとカシオが認識している可能性も高く(デジタルでは価格的限界がある)、というのも高価格化を狙ったG-STEELやMR-Gは「すべて」アナログだから。
ちなみに今回発売された新フロッグマンの価格は99,000円で、既存のデジタル式フロッグマンの上位モデルGWF-D1000は130,000円(スタンダードモデルのGWF-1000-1JFは68,000円)。
デジタルのほうが高価格ではあるものの、イキナリの「アナログフロッグマン」で高い値付けを行うのは難しく、まずは様子見にてこの価格帯で発売し、売れ行き好調であればさらにスペックを上げて高価格帯へとシフトするのではと考えています。
なお、グラビティマスター、そしてマッドマスターもアナログですが、これらはいずれも高い人気を博しており、最近話題の「カシオーク」もやはりアナログ。
よって、カシオにとって「アナログは今後の活路」であるのかもしれません。
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アナログフロッグマンはこういった仕様を持っている
そして今回発表されたアナログフロッグマン。
フロッグマンがG-SHOCK「初」のダイバーズウォッチであることは上で述べましたが、実は「現在でもG-SHOCK唯一のダイバーズウォッチ」。
G-SHOCKのほとんどのモデルは200メートル防水を持つものの、ISOに準拠した200メートル防水性能を持つのはフロッグマンのみで、そして今回の新フロッグマンももちろんISOに準拠した防水性能を持つ「ダイバーズウォッチ」となります。
ケースはカーボン混入樹脂を採用した「カーボンモノコック」を採用し、これはグラビティマスター等と同じもの。
構造はこういった感じですが、タフソーラーを採用し、つまり「電池交換が不要になった」からこそ実現できた構造だと言えそうです。
ケース直系は56.7ミリ×53.3ミリ、厚さは19.7ミリ。
カーボンモノコックケースを用いることで、GWF-D1000に比較すると22gの軽量化を達成している、とのこと。
このGWF-A1000もアシンメトリーなデザインを持つものの、GWF-D1000ほど「左右非対称感」は強くなく、ベゼルの「FROGMAN」文字がなければ、この腕時計をフロッグマンだと認識するのは難しいかもしれませんね。
一般的なダイバーズウォッチといえば「回転式ベゼル」という印象がありますが、いかにアナログ化しようとも回転式ベゼルを採用しなかったのは「さすがカシオ」だとも考えています。