Image:Artisans De Genève
| このロレックス・デイトナ「カスタム」ではヴィンテージ感を演出するためにプッシュボタンやリューズガードなど様々な部位に手が入る |
ベゼルはレトロな立体、そしてベークライトを採用
ロレックスやパテックフィリップの腕時計をベースとした高度なカスタムウォッチをリリースしている「アルチザン ドゥ ジュネーブ(Artisans De Genève)」。
今回は新作としてロレックス・デイトナ(116508)をベースとした”ハニーグリーン”を公開しています。
このハニーグリーンをオーダーした顧客はヴンテージウォッチの愛好家だといい、ずっと頭の中にあった「(地金色のほかは)グリーン一色のみしか使用しない腕時計」を作ることを目的としてアルチザン ドゥ ジュネーブにオーダーを入れたのだそう。
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「グリーン」は難しい色である
なお、グリーンは非常に難しい色であるといい、ホワイトを混ぜるとソフトでフレッシュな印象に、イエローを混ぜると力強さと活力を表現するなど表情を大きく印象を変えることになりますが、この”ハニーグリーン”で目指したのは「感覚に訴え、素材に訴え、そして物語に訴えかける」ことであり、そのためには”ブルーを少しだけ混ぜた”イングリッシュ・グリーンに近いやや濃い緑色を使用しています。
このグリーンは、インサートのベークライトからサンレイ文字盤、ゴールド地金まですべての仕上げと素材とに調和する必要があり、そして重要なのはヴィンテージ・ルックを維持する必要があるということ。
依頼主はグリーンとイエローゴールドのコンビを「パーフェクト・マッチ」と呼び、その理由はイエローゴールドの輝きと力強さ、そして荘厳なグリーンの柔らかさと詩情をあわせ持っているためだと述べています。
私にとってグリーンは、希望、自由、そして人生のある種の甘美さを表しているのです。私は人生の新しいステージのたびにこの色を身に着けてきた。時計製造においてもっと存在感を示すべき色だといつも思っていましたが、これまで私の理想とするグリーンの色合いは見つかりませんでした。オリジナリティと強さを保ちながら、ブルーのエレガンスを併せ持つグリーンです。ヴィンテージ時計愛好家として、私は自分の時計にこの比類ないヴィンテージ・スタイルを持たせたかったのです。
このグリーンの開発には「数ヶ月」を要する
そして今回のプロジェクトにおいて顧客とアルチザン ドゥ ジュネーブは文字通り「創造の限界に挑戦する」こととなり、何カ月もかけて各パーツとグリーンが完璧に融合するように調整を行ったといい、つまりベークライト製のベゼルインサート(もちろんヴィンテージウォッチへのオマージュ)、そして金属製の文字盤など異なる素材においても”完全なる調和”が求められています。
さらには素材によってフィニッシュを変えており、たとえば文字盤のグリーンにはサンレイ、カウンターにはサンドブラストが用いられるなど「光が当たったときの見え方」にも配慮されることに。
もう一歩「ヴンテージ感」を追求するためにリューズガードは削り落とされ、プッシャーのデザインもレトロなものへと改められることでいっそうの優雅さが感じられるようですね。
スケルトン化されたケースバックからの鑑賞に耐えうるように巻き上げローターには手作業でコート・ド・ジュネーブ模様とサーキュラーポリッシュが施され、さらにブリッジには手作業による面取りとジュネーブ・ストライプ加工が施されるなど細部に至るまで手が入っているそうですが、このゴールドブレスレットのほかにも「完璧に色味がマッチした」グリーンのレザーストラップも付属するといい、依頼者にとって想像以上の仕上がりを持つ一品に仕上がったであろうことは間違いなさそうです。
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参照 / Photo:Artisans De Genève