■ファッションや腕時計、雑貨など

「ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ・・・。高級機械式腕時計の相場が下がり続け、2年で23%下落」。ボクはその理由をこう考える

ロレックス

| 一方、腕時計すべてが下がっているわけではなく、オメガ、カルティエは上昇傾向 |

ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲは「流通しやすい価格」の範囲を超えてしまった

さて、ブルームバーグによると「ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲ」といった高級腕時計の相場が下がり続けている、とのこと。

これらスイス製高級腕時計の相場は2022年にピークを打っていますが、そこに至る経緯としては、コロナウイルスのパンデミックに入ったのち、「本来、旅行などに使われる予定であった」お金が(コロナのためにどこにも行けなくなったので)行き場を失ってしまい、そこでそのお金が高級機械式腕時計市場になだれ込むこととなり、結果として需給のバランスが一気に崩れてしまったのが(相場高騰の)きっかけだと言われています。

参考までに、コロナウイルス感染拡大以前からロレックスはじめ機械式腕時計の相場は上昇傾向にあったものの、コロナ禍に突入した瞬間は(先行き不安から)大きく下落することになり、しかしそこから(上述の理由によって)大きく反転することによって「不動産やクラシックカー、絵画、株式など、あらゆる対象よりも魅力的な投資対象」となったわけですね。※一瞬の下落を狙ってロレックス・デイトナを仕込んだ人は相当な富を築いたと言われている

3K4A2139

ロレックス・デイトナ
5本目のロレックス・コスモグラフデイトナ(116500LNホワイトダイヤル)購入!現在の相場を考慮すると、身に付けずにしまっておくことになりそうだ

| 先日のGMTマスターII(126710BLNR)に続いてデイトナの購入話が舞い込んできた | このところのデイトナの価格高騰ぶりは凄まじい さて、1年半ほど前にもロレックス・コスモグラフデイトナを ...

続きを見る

現在、腕時計は魅力的な投資対象ではない

しかしながら今回の報道によれば、価格高騰が著しかった「ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲ」については6月も(先月に引き続き)相場が下がり、トレンドとしてはこの2年間ずっと下がりっぱなしとなっているのだそう。

この価格調査は英国に拠点を置く腕時計取引プラットフォーム、「サブダイアル」によって行われたもので、6月だけを見ると1%の下落と「まだ微小」ではあるものの、この1年間で8%、過去2年間では23%も下落しており、米国株式市場のベンチマークであるS&P500指数が過去1年間で27%上昇したこととは対照的です。

この理由として様々な要因が報じられており、ひとつはビットコインはじめとする暗号資産の動きが活発になり、(とくに若い)投資家の目がそちらに向いたこと。

そしてもうひとつはやはり株式相場の上昇で、投資効率や売買の容易さを考慮すると「腕時計よりも株式」という判断になったのだと考えられます(腕時計の売買はけっこう面倒である)。

3K4A4713

ロレックス・デイトナ
この1ヶ月でロレックスの相場は急上昇!デイトナ(116500LN)は1年で1.5倍、エクスプローラーII(216570)は1ヶ月で1.4倍に値上がり。直近で見るとビットコインやテスラ株よりも有効な投資先か

| ロレックスのスポーツモデル人気はまだまだ続きそう | さて、この一ヶ月にて急激に相場を上げたロレックスのスポーツモデル(ステンレススティール)。モデルによって差異はあるものの全般的に価格が上昇して ...

続きを見る

しかしボクは機械式高級腕時計の相場下落についてこう考える

ただしぼくは機械式高級腕時計の相場下落については別の理由も存在するんじゃないかと考えていて、それは「相場の上がりすぎ」。

ロレックスだとステンレススティール製のスポーツモデル(俗に言うスポロレ)だともう二次流通価格では「数百万円」にも達しており(コロナ前の倍くらい)、ここまで高くなってしまうと容易には手を出せない状態です。

3K4A4435

たとえば「100万円台」であれば、若いサラリーマンが「価値が下がらないから」ということで投資も兼ねて自分へのご褒美に購入するケースもあるかもしれませんが、もう「300万円」「500万円」となってしまうと話は別で、つまり現在の人気モデルは価格が上がりすぎていて、結果として購入できる人が減ってしまい、そこで「取引数量が減ってしまった」ために価格が下がっているのだと考えているわけですね。※取引が行われる頻度が減ると価格が上がりにくくなるので投資対象として魅力的ではなくなり、投資家が離れる傾向にある

実際のところ、上述の腕時計取引プラットフォーム、「サブダイアル」によれば「ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲの価格は下がり続けているが、オメガとカルティエは上昇している」とのことで、オメガとカルティエに共通するのは「まだ頑張れば買える価格」、つまりはコロナ前のロレックスの水準にあるということ。

よって「ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲ」の価格が下がってきているのは、けして「絶対的な価値を失った」と判断されたわけではなく、投資対象として「手頃な」単価を超えてしまったことで「もう大きくは上がらないだろう」と判断されたからであり(これをして”価値を失った”と言われれば、それまでではあるが)、投資家は次の「ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲ」となるであろうカルティエ、そしてオメガに目を向けているのだと思われます。

3K4A4111

あわせて読みたい、腕時計関連投稿

ロレックス・ヨットマスター40、ウブロ・オーシャノグラフィック1000、カルティエ・カリブル ドゥ ダイバーの3本を売却。「似たような性格の腕時計」があまりに増えてきた
ロレックス・ヨットマスター40、ウブロ・オーシャノグラフィック1000、カルティエ・カリブル ドゥ ダイバーの3本を売却。「似たような性格の腕時計」があまりに増えてきた

| 腕時計を買い足してゆくと、同じような性格の腕時計が増えてきて、やがては「身につけることがない」ものが出てくる | お金が無限にあればこれら腕時計を売却する必要もないのだろうけれど さて、ちょっと思 ...

続きを見る

なぜ今、中国ではロレックスとエルメスが売られているのか?半年前には前年比で240%も価格が上がったのに半年で46%も下落したワケ
なぜ今、中国人は所有するロレックスとエルメスを手放しているのか?半年前にはロレックスが前年比で240%も価格が上がったのにそこから46%も下落したワケ

| 中国はロレックスにとって巨大市場のひとつでもある | ただ、現在中国でロレックス売りが加速しているといえど、それがずっと続くかどうかはわからない さて、現在は下げ止まっているものの、少し前には大き ...

続きを見る

ロレックス・デイトナ、サブマリーナー、GMTマスターIIの3本を売却してきた!合計850万円、現時点ではロレックス/腕時計専門店より買取専門店のほうが高査定?
ロレックス・デイトナ、サブマリーナー、GMTマスターIIの3本を売却してきた!合計850万円、現時点ではロレックス/腕時計専門店より買取専門店のほうが高査定?

| ボクは今までに12本のロレックスを売却してきた | これでフェラーリ296GTB購入資金の満額に限りなく近づく さて、フェラーリ296GTBの購入資金を捻出するためロレックス3本を売却。フェラーリ ...

続きを見る

参照:Bloomberg

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

-■ファッションや腕時計、雑貨など
-, , , ,