| もはやロレックスのプレミア価格は「買うに値しない」ほどだとバイヤーは考えている |
夏以降、ガツンと相場が下がっているロレックス。
買う方としては大歓迎な事態ですが、バイヤーによっては「かなり危険」だと見ていて、ロレックスのストックは持ちたくない、と考える人もいる模様。
そしてウォッチバイヤー、CRM Jewelers氏もその一人のようですね。
たとえば、近年の値上がり代表格、通称”バットマン”ことGMTマスターII/126710BLNR(ジュビリーブレス)につき、価格.comによると、ピーク時の268万円から、現在では最安187万円と下落。※これは登場時のプレミアがあまりに高すぎた
なお、この187万円は「新品(この価格で買える)」の価格ですが、「中古」だと、高値のときにショップが仕入れた在庫がまだたくさんあるようで、200万円を大きく超える個体も多いようです(高値で買い取っているので値下げできず、このあたりショップの仕入れも”賭け”に近い)。
あまりに高くなりすぎただけで、今後適正相場に落ち着くとの見方も
そしてロレックスと言えば「デイトナ(コスモグラフ デイトナ/116500LN)」。
これまで継続して価格を上げてきた、値下がり知らずのデイトナですらジリジリと価格を下げてきているようですね。
そしてこれもプレミア代表格の「グリーンサブ」ことハルク(サブマリーナデイト/116610LV)も相場が下落。
そしてGMTマスターⅡ(GMTマスターII/126710BLRO)の価格もやっぱり下落。
エアキング(116900)の価格も下がっていて、ステンレスモデルは基本的に「すべて」相場が下がっているとも言えそうです(日本の場合は、ここ最近の円高も影響し、値下がりのペースが欧米よりも速い)。
ロレックスではゴールドモデルの人気が上昇中
そしてこのバイヤーが言うには、現在もっとも手に入りにくいロレックスはヨットマスター II(116688)。
これはゴールドモデルとなりますが、ほかのロレックスの相場が下がり始めた春夏頃から逆に価格を上げています。
そしてゴールドデイトナ、「コスモグラフ デイトナ/116515LN」の価格も上昇気味。
これについて、ステンレスものデルの価格が上がりすぎ、ゴールドモデルとの価格差が小さくなったり、モデルによっては「逆転(ステンレスのほうが高い)」が生じたため、「なんかそんなプレミア払ってステンレスモデル買うのはバカらしい」「同じ価格なら、貴金属としての価値もあるゴールドモデル買うわ」という判断が働き始めたのかもしれませんね。
なお、ロレックスについては、以前に述べたとおり、「数が少なくて」価格が上がっているのではなく、バイヤー(ブローカー)が価格を釣り上げることでその販売価格が上がっているだけであり、もうこのあたりの価格がピークだと言えそうです(実際、デイトナにせよ、サブマリーナにせよ、店頭にはたんまりプレミア付きながら在庫がある)。
ロレックスは「定価で買えるなら」これ以上優れた実用時計はありませんが、現在のプレミアの付いた状況であれば、「他ブランドの腕時計を1本もしくは何本か」買ったほうがいいんじゃないか、というふうに考えはじめた人も多そうです。
そして、そうなると「在庫がたくさんある」ロレックスは一気にその相場を下げることになりかねず、ここを危惧しているバイヤーも多いのかもしれません。
パテックフィリップの価格は天井知らず
そしてここ数年で価格を恐ろしく上げているのがパテックフィリップ。
「アクアノート エクストララージ(5167)」はその代表格ですが、数年前にぼくが購入を考えたときには170万円くらいで、今は360万円。
ただしパテックフィリップは「自社製品の相場を上げる」ことに対しては積極的であり、ロレックスとは異なってガンガン生産せず(生産を絞っており)、よって「在庫もかなり少ない」のが特徴。
ロレックスはプレミアを払えばどんなモデルでも入手できますが、パテックフィリップは売り物件を探すこと自体が難しい、ということですね。
そしてゴールドモデルの「ノーチラス 5711/1R-001」も状況は同じ。
まさに「パテックフィリップ恐るべし」といった感じですね。
VIA:CRM Jewelers