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トヨタGRスープラは「ピュアスポーツではない」?トヨタ86、ポルシェ718ケイマン、アルピーヌA110と比較試乗してわかった真実

投稿日:2019/09/25 更新日:

| 同じスポーツカーでもメーカーが異なれば考え方がぜんぜん違う |

さて、先日試乗したトヨタGRスープラ。
いろいろな意味で期待と異なる部分があり、考えさせられるクルマであったと思います。

そして新型スープラを一言で言うならば、「BMWそのもの」。
さらにピュアスポーツかどうかと問われると、ぼくは「ピュアではない」と考えていて、86のほうがずっとピュアだ、とも考えているわけですね。

なぜ新型トヨタGRスープラはピュアではないのか

そしてぼくがGRスープラについて「ピュアではない」と考えるのは、車両があまりに電子的に制御されすぎているから。
トラクションコントロールはもちろんのこと、GRスープラはアダプティブサスペンション、電制デフを装備していて、(嬉しいことですが)アクセルを踏めばどんな状況でも加速し、ブレーキを踏めばしっかり止まり、ステアリングホイールを回せば確実に旋回するように。
つまり誰でも速く走れるようにセッティングされているわけですね。

加えてそれら制御は比較的「安定志向」となっており、通常のドライブモード、「スポーツ」であっても変わることはなく、よってスープラの真の姿が見えにくくなっています。※スープラ本来の姿を知るには、禁断の「トラクション」モードに入れるしか無さそう

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なお、BMWは昔からこういった電子制御、ドライブモードの採用に積極的であり、かなり早い段階からこれを取り入れていて、ぼくの知る範囲ではE60世代のM5(2004年発売)がその先駆け。
このM5は5リッターV10を搭載して507馬力を発生するという、当時からすると規格外のハイパフォーマンスセダンですが、これを「誰でも」容易にコントロールできるようにしたのがこの電子制御。

その後もBMWはこういった制御をさらに発展させ、最新世代のM5(F90/2017年発売)では4WDであるにもかかわらず、すべての駆動力を後輪に振り分けて「FR」へとシフトし、誰でもドリフトできる”ドリフトモード”を備えるまでに発展しています。

つまりBMWは「誰でも手軽にハイパフォーマンスを、安全に楽しめる」ということを考えている会社ということになりますね(これはこれで非常にいいことだと思う)。

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加えて、BMWギリギリまでパフォーマンスを引き出さなくとも、そして公道で通常走行を行う範囲であっても楽しめるように「ちょっとアクセルを踏むと、ガツンと加速する」ようになっており、さらに足回りを固めて「スポーティーな」イメージを演出しているのもひとつの特徴です。

そしてもちろんGRスープラもこの傾向にもれず、「チョイ乗りでもスポーティー」「意図的に足回りを締め上げている」「安定(安全)志向」という設定を持っている、と考えているわけですね。

トヨタGRスープラとポルシェ718ケイマンとを比較すると?

そしてGRスープラが開発時にベンチマークとした718ケイマンとの比較ですが、けっこう「正反対」に近い性格。
足回りについてはスープラが硬く締め上げられているのに対し、718ケイマンは比較的柔らかめ。
スープラは「跳ねる」印象があるものの、718ケイマンは「ねっとりと路面に張り付くような」しなやかさを持っています。

エンジン音だとスープラは結構室内に入ってくるようですが、ケイマンは室内にはとくに音を入れるということは考えておらず、かなり静か。

加速についてはスープラが踏み始めからガツンと出るのに対し、ケイマンでは途中から速度が伸びてくるイメージ。

つまり718ケイマンは「チョイ乗り」だとスポーツカーというイメージはなく、しかしスープラはチョイ乗りでもスポーツカーという印象があるわけですね。

ただ、これはどっちがどうということではなく、メーカーの考え方の差ということになり、日常的に楽しめるのは「公道でもスポーツカーが感じられる」スープラの方なのかもしれません。

実際のところ、BMWからポルシェに乗り換えた人は、最初の印象として「ポルシェ遅い・・・」と感じる人も多いようです。

ただ、一定以上の速度域になるとポルシェはその本領を発揮することになり、両者が対象とする速度域が単に異なると言い替えてもよさそうです。

もちろんこの「対象速度域」についても良し悪しの問題ではなく、用途の差だということですね(ほとんどの人はサーキットを走らない)。

実際のところ、トヨタがBMWとの共同開発を開始した際、トヨタが「ポルシェに勝てるクルマを作ろう」とBMWに言ったところ、「え?ポルシェが好きならポルシェ買えば?ウチはBMWですよ?」という感じで、BMWはポルシェをまったく意識していなかったようですね。

なお、ポルシェについて触れておく必要があるのは、ポルシェには「リミッターが存在しない」ということ。
メルセデス・ベンツ、BMW、アウディに存在するリミッターがポルシェには存在せず、つまり「いかなる速度域においてもコントロールが可能であり、それにメーカーが責任を持つ」ということに。

そしてBMWは紳士協定によって「最高速を250km/hに制限している」ということで、それに従う形でスープラもやはり速度リミッターは250km/h。
つまりは250キロまでにすべてを突っ込んでいるクルマということにもなります。

そして「250km/hのリミッターが存在する=ギア比は250km/hまでに収め、そのぶん加速を鋭くできる」BMWとは異なり、ポルシェはエンジンパワーそしてギアをすべて使い切れる設定となっていて、つまりギア比が比較的オープンとなり、ここが加速特製にも「差」となって現れているようですね。

トヨタGRスープラとアルピーヌA110とを比較すると?

そして海外ではケイマンと並んでスープラのライバルと目されるアルピーヌA110。
こちらもスープラとは全く異なるクルマで、ひとことで言うならばアルピーヌA110は「滑るように路面を走る」。

つまりアルピーヌA110はライトウエイトスポーツということですが、これも当然の話で、アルピーヌA110の車体重量は1080kg、GRスープラは1520kgなので、もちろん慣性重量が全く異なり、アダプティブサスペンションで慣性を抑え込んで「踏ん張る」スープラと、軽量性とミドシップならではのトラクションを生かして旋回するアルピーヌA110との性質が異なるのは「当たり前」。

加えてアルピーヌA110は電子制御を感じさせない味付けとなっており、ステアリングホイールを切ったら切った分だけ曲がり、アクセルを踏んだら踏んだ分だけ加速するという「自然さ」を持っています。

つまりそこには演出がまったくないということで、ここはポルシェ718ケイマンに似た部分もありますが、「なんとしても安定性を保とうとする」718ケイマンに対し(この部分ではケイマンとスープラは似ているが、ケイマンの場合は限界にならないと電子制御が大きく介入してこない)、アルピーヌA110はけっこう「危ない」状態にまで陥ることがあり、自分の操作がダイレクトにクルマの挙動に現れるという印象も。

その意味では、「誰もが」速く走らせることができるクルマではなく、相応の手練でないと気持ちよく走らせることは難しいかもしれません。

トヨタ86はやはり国産きってのピュアスポーツ

そして最後は同門である「86」との比較。
ぼくは常々「86は国産でもっともピュアなスポーツカー」だと考えてきましたが、スープラに試乗したあとでもその考えは変わらず。

86はある意味でアルピーヌA110に近い性格を持っており、ドライバーのスキルをそのまま挙動に反映させるクルマ。

きれいに曲がろうとするときっちり減速してフロントに荷重を乗せ、そこでステアリングホイールを切ってクルマの向きを変えるきっかけを作り、コーナー出口にかけてアクセルを踏んでグイっと曲がりながら加速する必要があります。

つまり単に「曲がる」という行為一つとっても「ブレーキ、ハンドル、アクセル」の適切な操作が必要であり、「ハンドルを切れば(電制デフで制御され)クルマの向きを変えてくれる」スープラとはまったく異なるクルマ、ということですね。

よって、電子制御によって「アクセルを踏んで、ハンドルを回せば」誰でも速く走れるクルマに乗り慣れてしまうと、86に乗ったときに「全然曲がらん!」ということになり、そこで自分がこれまでどれだけクルマ(の電子制御)に助けられていたか、どれだけそれに甘えてズボラな運転をしていたか、そしてどれだけ自分の運転が下手であるかを思い知らされることに。

つまり、トヨタ86はドライバーの技術を映す「鏡」とも言え、その意味でもこれ以上にピュアなクルマはない、と考えています。

ただ、これもスープラがピュアさに劣る=ダメというわけではなく、その存在意義やポジションの違い。
86そしてスープラの開発主任でもある多田哲哉氏は「86は練習機、スープラは戦闘機」と表現していますが、上述の理由にて86は技術を磨くのに最適なクルマ。

そしてスープラは圧倒的なポテンシャルそしてテクノロジーによって86の到達できないところにまでゆくことができる「ジェットファイター」。

よってミスを誘発する可能性のある、そして乗り手のスキルによって誤差が出るマニュアルトランスミッションはスープラにとって「邪魔」でしかなく、つまりGRスープラはそれだけのレベルにあるクルマということで、人がコントロールできる領域を超えたポテンシャルを持ち、そのゾーンにおいてドライバーを補助するために発達した電子制御を持つということなのかもしれません。

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