ポルシェが突如「カーボン製ホイール」発表。
ただしこれは「最も速く、最も高価な」911ターボSエクスクルーシブ”専用”で通常の911ターボ/ターボS向けには今のところ提供されない模様(ただしオフセットは同じと思われ、生産キャパシティのため提供を絞っていると思われる。よってそのうち通常盤911ターボ/911ターボSも選択できるかも)。
なお、ポルシェによるとこのカーボンホイールは「通常のアルミホイールに比べて20%軽く、20%強度が高い」とのこと。
ホイールはリム、ディスク共に全てカーボンファイバー(CFRP)製。
縦横方向の剛性に優れ、回転マスが小さいために加速、ブレーキング共にレスポンスに優れ、ドライビングプレジャーをより強調する、としています。
製造工程は非常に複雑で、200ものパーツを組み合わせ。
ポルシェは世界で最も大きなカーボン繊維編み込み機を使用してその原型を作り、その後はレジンで固めて圧力をかけ、さらに高熱で処理。
その後は時間をかけて冷却を行い、ホイールとしての形状を整え、表面をクリアラッカーで仕上げている、とのこと。
↓こちらがその編み込み機。
↓こちらはリムなどのカーボンシート貼り込み。
ポルシェはこの「カーボン繊維を編み込み、樹脂を染み込ませる製造方法を採用した最初の量産ホイールを採用したメーカー」だと述べており、一本のホイールあたり長さにして18キロ(もしくは8平方メートル)ものカーボン繊維を使用している、と公表。
ポルシェはこの「911ターボSエクスクルーシブ」においては相当に手の込んだ仕上げを行なっていて、その製造に関わる様子を何本かのシリーズ動画として公開しており、中には標準ホイールの複雑な塗装工程も披露。
さらにはこれまでポルシェはカーボンホイールについて全く触れてこなかっただけに、「いきなり」のカーボンホイール発表にはちょっと驚きです。
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なおカーボンホイールについてはケーニグセグがすでに自社の車に採用しており、BAC MONOも採用を公表。
ほかではBMWも採用を検討していると報じられ、アウディは試作品を披露済みで、フォードはGTそしてシェルビー・マスタング向けにオプション設定を行なっていますが(130万円くらい)、いずれも製造はカーボン専門工場への「外注」で、それを考えると今回のポルシェのカーボンホイールは「内製」となり、その意義は大きそうですね。
なお軽減できる重量についてポルシェは上述のように20%、BACは22%、アウディは40%、フォードは40%重量軽減可能、と述べています。
アウディとフォードの数字が大きいのは、おそらく「純正ホイールが重いから(鋳造と思われる)」で、ポルシェ911ターボSが「20%」に止まるのは「元のホイールが軽いから(これは鍛造)」と言えそうですね。