|中国は可能性がある反面、危険な市場だ|
マセラティとアルファロメオがイタリアの工場における生産をスローダウン。
これは中国における新しい輸入車に関する法規が原因、と報じられています。
この法規とは、「海外のメーカーが中国のディーラーに対し、在庫を持つことを強制してはならない」としたもので、すなわちノルマを課してはならない、と言い換えることができるかもしれません。
アルファロメオの販売は一気に1/10以下に
これによってレヴァンテの生産は二週間(生産調整のため)停止し、アルファロメオ・ジュリアの生産は300から265台ペースに減産することに。
アルファロメオの場合はこれにより合計で2000台の生産が失われるとされますが、かなりな痛手と言えそう。
実際のところアルファロメオの場合はこの規制が入る前の6月には2,666台を中国向けに出荷したものの、規制後の8月にはこれが227台に大きく落ちています。
レヴァンテの場合も1-6月における突き当たり平均だと800台だったものが一気に8月では250台に。
なおFCAの中国における目標はかなり高く、2017年においては17万台を販売したい意向を掲げており、これが「強制的な在庫」につながった可能性も。
なお今回の規制によっておそらくは130,000〜140,000台の販売に落ち着く可能性が高く(それでも上半期は強制的に在庫を持たせている)、大きく目標を下方修正する必要がありそう。
なお、これはアルファロメオやマセラティのみに言えることではなく、おそらくはどのメーカーにも関係してくることだと思われ、中国市場は大きな規模と可能性を誇る一方で「中国政府の意向次第で」どのようにでも変わってしまう(そしてそれは外国のメーカーの利益にならない方向)危険性を持つ、と言えそうですね。
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ほかのプレミアムカーメーカー同様、マセラティは2014年に36500台を売り上げた模様。
これは2013年に比べて136%の数値だそうで、やはり貢献度が高いのはギブリで23500台。
次いでクワトロポルテの9700台、3500台がグランツーリスモとグランカブリオ。
市場別だと北米が最も大きく14690台で110%。
中国は例によって二番目であり9400台のセールスを記録したそうです。
ポルシェ、ランボルギーニ、AMG、マクラーレン、ベントレーが2014年には過去最高のセールスを記録しており、これからも成長が続きそうですね。