ポルシェが「911GT3ツーリング」は911R転売抑制であったとはじめて公言
ポルシェが「911GT3ツーリング・パッケージは911Rの転売対策」とはじめて公言。
これは911プロダクトラインの責任者がメディアに対して語ったもので、「あまりに高価で転売される911Rの価格を引き下げることが目的」だと語っています。
ポルシェ911Rはそれまで「PDKしか設定されていなかった911GT3/GT3RS」に対して「マニュアル・トランスミッションを持つ」ハイパフォーマンスモデルであり、ウイングを取り払ってシンプルな外観としたモデル。
これが(おそらくハイパフォーマンスモデルで唯一のMTという理由で)人気に火が付き、即完売したのはもちろん、発売直後に「億」という近代911にとって前代未聞のプレミア付き価格で取引された車。
ポルシェ911GT3「ツーリングパッケージ」登場。ウイングの代わりにリップ装着、MTのみ
現実的に911Rの相場は下落傾向
もちろんこれに懸念を示したのがポルシェで、車は「乗って楽しむ」ものであり投機商品(お金儲けの道具)ではない、と警告。
さらに限定モデルについては転売をしないようなオーナーを選んで販売する、と公表するなど大きな騒ぎにまで発展。
なお、これの副産物として、これまでPDKしか無かったGT3系にもフェイスリフトを機にマニュアル・トランスミッションが設定されるなどポルシェの考え方を大きく変えることにもなっています。
そんな経緯を経て発売されたのが「911GT3ツーリング」で、これは限定ではなく誰でも(お金があれば)買えるカタログモデル。
仕様としては911Rに非常に近く、よってこの911GT3ツーリングの投入によって実際に911Rの中古相場は大きく下がっており、「効果があった」と言えそうですね。
ただし911Rを登記商品としてではなく、「ピュアな911」として購入したオーナーをがっかりさせることになったであろうことはポルシェも認めており、しかし「まあそれは大した問題ではない」とも(実際に911Rが新車価格いかになることはないと思われる)。
他メーカーも転売対策には苦心している
なお、ポルシェのみではなく多くのメーカーで問題となるのが「転売」。
アストンマーティンは「一度転売したオーナーには二度と売らない」としており、フェラーリは限定モデルに付き「申込みを受けるのではなくフェラーリからアプローチする(AMGもプロジェクト・ワンについて同様の手法を採用)」。
こういった方針を明らかにしていないメーカーもあり、たとえばそれらはブガッティやランボルギーニ。
ただし明らかにしていないからといって転売を放置しているわけではなく、たしかに販売台数に比べると「転売」はかなり少ないようには思います。
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