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ポルシェ、新型ガソリンSUV「M1」を開発中?電動マカン不振を受け、「前輪駆動ベースの」アウディQ5との共通基盤を採用した新型SUVを投入か

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| かねてより、ポルシェは「カイエン」「マカン」とは別のSUVを投入すると噂されていたが |

電動マカンの不振で戦略転換

ポルシェはマカンをフルEV化するという大胆な決断を下しており、少し前までは「受注が好調」であると報じられたものの、タイカン同様に「初期の注文が一段落した後、その勢いに陰り」が見えているもよう。

実際のところ、現在主力である米国や欧州市場でラグジュアリーEVの需要が失速し、さらには中国ではポルシェの販売が大幅に落ち込んでしまったというタイミングでマカンEVがリリースされており、つまりは「逆境からのスタート」。

ポルシェはすでにガソリンバンマカンの販売終了を決定しており、よってガソリン版マカンの復活は残念ながら実現しないものの、(マカンEVの不振をカバーすべく)ポルシェは新たな後継モデルを急ピッチかつ低コストで開発していると報じられています。

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ポルシェの新型SUV「M1」はアウディQ5と兄弟車に

英Autocarによると、この新型ガソリンSUVのコードネームは「M1」、そしてアウディQ5と同じ「PPC(Premium Platform Combustion)」アーキテクチャを採用し、事実上の兄弟車となるもよう。

なお、初代マカンはQ5をベースにしながらもポルシェが独自のV6エンジンや特別な四輪駆動システムを開発するなど大幅な手直しを行っていましたが、しかし新型「M1」では”開発コスト削減のため”にそのアプローチは取られないと報じられ、つまりより「アウディ濃度が高く」「ポルシェのオリジナル要素が低い」車になるようですね。

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ポルシェがさらなる方向転換を行うと報じられる。「EVとして設計されたモデルにもガソリンエンジンを積む」。タイカン、マカンEV、新718も「ハイブリッドに」?

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「クワトロ・ウルトラ」を採用

「M1」には、アウディが採用する前輪駆動ベースの「Quattro Ultra」システムが搭載される見込みだといい、これは通常走行では前輪駆動として機能し、必要に応じて後輪へ最大70%までトルクを配分可能。

場合によっては電子制御式リアディファレンシャルにより左右のトルク配分も行われ、しかし従来のトルセン式ディファレンシャルや、常時後輪駆動寄りだったマカンの「ポルシェ・トラクション・マネジメント」とは異なり、効率性を優先した仕組みを持っています。

この採用に関わるメリットとしては、もちろん「新たにポルシェが駆動システムを開発しなくてもすむ」「既存システムの龍のなのでコストが低い」、さらには「燃費規制や排出ガス規制が厳格化する各国での対応が容易になる」といったメリットが報じられ、おそらく現時点ではこれが最適解なのかもしれません。

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コスト削減と開発スピードを最優先

ポルシェCEOのオリバー・ブルーメ氏はこの「M1」の開発を正式に認め、わずか3年で市場投入を目指すと述べていますが、その背景には、タイカンの販売不振、米国での関税問題、中国市場での外資系ブランド離れ、さらには電動718(ボクスター / ケイマン)の開発遅延など、複数の課題があるようですね。

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ポルシェの新たな挑戦

ポルシェは40年近くにわたり、四輪駆動モデルには常に後輪寄りの駆動方式を採用し、スポーティな走りを実現してきましたが、「M1」は前輪寄りのAWDを採用する初のポルシェとなる見込み。

もちろん、ポルシェ独自のチューニングによって高い走行性能は確保されることは間違いなく、しかし同社の置かれた厳しい現状を如実に表すモデルとも言えそうです。

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参照:Autocar

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