| ポルシェ911はもともと911ではなかった |
先日「現在消息がわかる限り、最古の911」が偶然見つかったというニュースがありましたが、現在その911はレストアされてポルシェミュージアムにて展示中。
今回ポルシェはオフィシャルにて動画を公開し、「なぜ911は”911”という名称になったのか」を述べています。
当初は「901」として誕生
実際のところ、今回発見された911は「911ではなくて901」。
ポルシェはこの901を1964年に製造開始しましたが、その後パリ・モーターショーにてこの901を公開。
その際に地元のプジョーがこれを見て「三桁の数字の組み合わせにおいて、真ん中にゼロが入っているのはプジョーが商標を有する」とポルシェに申し入れ(紳士的ではあったが確固たる意志を示していた模様)。
そこでポルシェは「901」を「911」に変更することになった、という有名なストーリーを公式にて語っています。
なお、このくだりはポルシェ・ジャパンの「ポルシェ901」コンテンツでも紹介されており、こちらでは「911は米国の救急番号であり、なじみやすかったので」と紹介されていますね。
そして、この名称変更を行うまでにポルシェは「901」を82台のみ生産。
そこからは「911」へとモデルネームが変更されているものの、すでに市場に出回った「901」は901のまま、ということに。
同様の例は他にもある
こういった「同名」は往往にして起こるもので、日本で車を販売する際に「すでに日本ではその名称が登録されている」ので別の名前になった例もいくつか。
フェラーリ599GTBフィオラノの「フィオラノ」はオートバックスが持っていたので日本ではこれを使えず、オペル「コルサ」たトヨタの「コルサ」に抵触し、クライスラー「クロスファイア」もブリジストンの商標とかぶり(これは合意がなされて使用可能に)、といったことがありますね。※現地では語感や意味がよくないので名称変更を行う場合もある。パジェロはスペイン語だと「オナニー」を意味する言葉に近かったので「ショーグン」になった、とも
逆に海外では日本車がその名称を(現地の自動車メーカーの発売している車名と重複して)使えない場合もありますし、最近だと「アウディQ2」の「Q2」はアルファロメオが商標を保有していたためにこの使用許可を得るのに様々な紆余曲折を経ています。
自動車以外だと、「iPhone(アイフォーン)」に近い名称「アイホン」が日本では登録済みだったのでこれも調整が行われ、音楽だと「デビッド・ボウイ」が本名と同名のミュージシャンが他にいたので改名して「デビッド・ボウイ」に、俳優の「ハリソン・フォード」もすでに同じ名前での登録があったもののこちらは先代が廃業したか何かで「ハリソン・フォード」のままで活動できた、という逸話も。
それでは動画を見てみよう
こちらがポルシェ公式にて「911」誕生秘話を語る動画、「Why is the Porsche 911 called 911? | Porsche answers your most popular questions.」。