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FCA/フェラーリCEO、マルキオンネ氏が突然の体調不良で退任。FCA後任は決定、フェラーリは?

2018/07/22

| 突然の”体調不良”による退任 |

FCA(フィアット・クライスラー)が突如、CEOであるセルジオ・マルキオンネ氏の離脱を発表。
もともと同氏は2019年には退任の意向を示していたものの、7月21日に突如として体調を崩し、「今後の業務遂行は不可能になった」とのこと。
マルキオンネ氏は66歳ですが、「数時間前までには予想しなかった」体調の変化によって急遽手術を受け、幸いなことに現在は快方に向かっているようですね。

賛否両論あった人物ではあるが

セルジオ・マルキオンネ氏は自由奔放な発言、突飛な行動でしばしば報道の対象となるものの、いつもダークカラーのニットを着用してラフなヘアスタイルをしているという、自動車メーカーのCEOとしては比較的「親みやすい」人物。

もともとのキャリアは税理士としてのスタートで自動車業界のたたき上げではなく、自動車業界に入ったのは2003年と比較的最近(このあたり、ずっと自動車業界でキャリアを積んだアンディ・パーマー アストンマーティンCEOとは異なる)。
そしてこの業界に入ったのも「フィアットの取締役」としてで、現在(昨日まで)はその延長でFCAのCEOを努めることとなっています。
さらにはルカ・ディ・モンテゼーモロ氏が去ったのちにフェラーリの会長とCEOを兼任しており、こちらにも間違いなく影響が出そう。

なお、セルジオ・マルキオンネ氏はメディアに色々と言われるものの、FCAに属するアルファロメオでは「ジュリア」「ステルヴィオ」発売を主導して業績を急回復させています。
先日も2022年までの中期計画を発表しており、F1参戦や「8C」「GTV」復活を決めた人物でもありますね。

やはり同じグループのマセラティでは「EVブランド」へのシフトを発表しており、来たるべき新時代に備えるという姿勢も見せています。

一方でフェラーリにおいては「ドル箱」として認識している様子があり、CEO/会長就任前から「サブブランドとして、フェラーリのイメージを引き継いだ”フェラリーナ”などはどうだろう(しかしエンツォ・フェラーリも同様の計画を持っていたと言われる)と発言したり、ターボエンジン導入、エレクトリック化のやブランド初のSUV(フェラーリでは”FUV”と表現)の発売を決定するなど、方向性として大きくこれまでとの差異をもたらすことに(この方向性の相違、FCAがマルキオンネ氏を支持したことがルカ・ディ・モンテゼーモロ氏退任の理由だとされる)。

ferrari

そしてクライスラーとフィアットについては「ほぼ手付かず」の状態で(クライスラーではチャレンジャー”デーモン”のヒットがある)、これについては「もっと何とかしようがあるのではないか」とマスコミに叩かれることがあったものの、ヘタにテコ入れしなかったのは(フォードの業績を見ても)正解だったのかもしれません。

なお、セルジオ・マルキオンネ氏の後任はジープブランドを牽引してきたマンリー氏、とのこと。



今後フェラーリはどうなる?

現在フェラーリは上場したのちにFCAの持つ株式をリリースしてFCAとの関連性は薄くなっているものの(FCAはこれによって多額の現金を得られれた)、しかしやはり支配権を持つのはフィアット創業者一族であるアニエッリ家の持株会社「エクソール」。
現在エクソールのCEOはジョン・エルカーン氏で、この人物は何かとお騒がせのラポ・エルカーン氏の「兄」。
そしてFCAの会長もやはりジョン・エルカーン氏となっていて(1976年生まれなのでまだ42歳!)、ラポ・エルカーン氏は現在フェラーリ社の副社長(もしくは役員)。

ジョン・エルカーン氏がFCAのCEOを努めることにならなかったのは意外ですが(FCAへの関与が強く、フェラーリの分離や、マルキオンネ氏の行動もアニエッリ家の意向を汲んだものと言われていた)、気になるのは空席となったフェラーリ会長/CEOの座で、ここに「予定通り」ラポ・エルカーン氏が座るのか、はたまた別の誰かがやってくるのかは謎。

なお、ジョン・エルカーン氏は22歳(まだ大学生)でフィアットの役員に就任しているので、現在40歳となるラポ・エルカーン氏がフェラーリCEOには「早すぎる」という判断がなされる可能性は低く、かつ急激にイメージを変化させて「これまでとは違う」方向性を打ち出しているフェラーリにとって、アクティブなラポ・エルカーン氏はまさに「うってつけ」の人材かもしれません。

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