| ランチア・デルタ・インテグラーレが現代に復活 |
ユージェニオ・アモス氏率いるAutomobili Amos(アウトモビリ・アモス)が春に発表した「ランチア・デルタ・インテグラーレ」復刻計画ですが、今回その市販モデルとして「ランチア・デルタ・フューチャリスタ(Lancia Delta Futurista)」を公開。
”フューチャリスタ”の名の通り、単なる復刻にとどまらず、カーボンファイバーやLEDなど現代風の装備を大量投入したことも一つの特徴です。
ランチア・デルタ・フューチャリスタは一人の男の「夢」を実現したクルマだった
このランチア・デルタ・フューチャリスタのコンセプトは、現代社会における、コンピューターによって制御され本当の姿がわからないスポーツカーへのアンチテーゼとして、「ピュアで、アナログで、原始的で、本質的な」という要素を掲げており、ユージェニオ・アモス氏が7歳の頃に夢中になったオリジナルのランチア・デルタ・インテグラーレを「ロマンティックに蘇らせた」モデルだという位置付け。
ベースはオリジナルのランチア・デルタ・インテグラーレで、これをいったん分解してからコンバージョンキットを装着し、各部を強化することで「ランチア・デルタ・フューチャリスタ」が成立するようですが、フロントバンパー、ボンネット、グリルはカーボンファイバーでできており、トランクやリアスポイラー、バンパーもやはり同じくカーボン製。
とにかくコストは気にせずに軽量素材を使用した結果、車体重量はわずか1250キロに収まったとされていますが、330馬力のエンジンとのコンビネーションにて痛快な走りが楽しめそう(なんといっても電子制御がほぼ無い)。
面白いのはオリジナルの5ドアから「3ドア化」されていることで、ボディ剛性や軽量化を考慮してかリアのドアはボディと一体化。
反面、フロントドアは延長されているわけでは無いのでボディ開口部はかなり小さく、相当に強固なボディシェルを持っていると考えて良さそうです。
なお、3ドア化されたにも関わらず「リアシートはそのまま」。
すっぽりハマって座り心地が良さそうなシートですが、狭いドアの開口部から乗り込むのは難しそう。
ランチア・デルタ・フューチャリスタのインテリアはシックそのもの
ランチア・デルタ・フューチャリスタのインテリアは、スパルタンな雰囲気を持ちながらも非常にシック。
基本はブラウンのアルカンターラ仕上げで、それにブラックを組み合わせていますが、ボディカラーがグリーンなので、よけいに上品さを感じさせますね。
シートはレカロ、ペダルはアルミ製、センタートンネルはカーボン製だと公開されています。
メーターの針、そしてインデックス、ステアリングホイールのセンターマークはイエロー。
ダッシュボードには80年代のSF映画っぽいインジケーターも。
ステアリングホイールも一新され、レトロなデザインながらもスポークにライトスイッチやウインカースイッチを内臓。
この赤い「ロケット」ボタンの機能は気になるところ。
その上のインジケーターも気になりますね。
とにかく細部にまでこだわり、かつ美しい仕上げを持つのがランチア・デルタ・フューチャリスタですが、その価格はなんと3800万円ほど。
限定20台が生産される予定ですが、そのうちの一台は空冷ポルシェのカスタムで知られるジンガー・ビークル・デザインの創始者がすでにオーダーしている、とのことです。
ユージェニオ・アモス氏はこんな人
なお、この美しく気品溢れるランチア・デルタ・フューチャリスタを送り出す「ユージェニオ・アモス氏」はイタリアはヴェニスに居を構えるカーコレクターで、そのガレージはこんな感じ。
フェラーリF40のほかポルシェ911やベントレーなど多数の車を保有していますが、そのほとんどが「グリーン」。
ここまで好みがビシッと安定している人も珍しいですね(だからこそブレることなくランチア・デルタ・フューチャリスティカを作り上げることができたのだと思う)。
とにかくグリーンとブラウン、イエローが大好きな人で、ウブロにカスタムオーダーした腕時計もこんな感じ。
今年はピニンファリーナとマニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノ(MAT)によるランチア・ストラトスの復刻モデル”ニューストラトス”もついに発売され、ネオクラシックカーマニアにとっては記念すべき年となりそうですね。
VIA:Automobili Amos on Youtube