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知られざる過去。ダッジ・ヴァイパーもミドシップ化されるチャンスが過去にあった!

投稿日:2018/12/14 更新日:

ダッジ・ヴァイパーのミドシップ化プロジェクトは「フォードGT」となって結実したとも言える

クライスラーはヴァイパーのミドシップ化に積極的ではなかった

C8世代の新型シボレー・コルベットはミドシップ化されることが決定していますが、ダッジ・ヴァイパーも過去にミドシップ化計画があり、これが実現すれば「アメリカ最初のミドシップスーパーカーとなっていた」とのこと。
なお、アメリカ初のミドシップスーパーカーは2005年の「フォードGT」。
そしてヴァイパーの「ミドシップ化」はフォードGTと密接に関係があった、と報じられています。

Hagarty報じるところでは、「ヴァイパーのミドシップ計画」は1990年代中頃にスタートしたとのことですが、その前にまずヴァイパーの歴史を紐解く必要がありそう。

もともとダッジ・ヴァイパーは、当時クライスラーがコルベットへの対抗としてボブ・ルッツ氏(ヴァイパーのほか、プロウラーなどマニア受けするクルマの開発が得意)主導のもの計画したクルマで、1989年にコンセプトモデル公開、1991年に販売開始。
開発には当時クライスラー傘下にあったランボルギーニが密接に関係しており、V10エンジンのチューン(ガヤルドがV10エンジン搭載にて登場したのもこれと無関係ではないのかも)、足回りのセッティングもランボルギーニが担当した、と言われています。

そして発売後に社内で持ち上がった計画が「ヴァイパーのミドシップ化」。
ただしクライスラー内部でもフロントエンジン崇拝の色が濃く、ミドシップ化を支持したのは、後にクライスラーの小型車プラットフォーム部門の管理者となるクリス・テオドア氏、そしてエンジニアリング部門の重役であったフランソワ・ケースティング氏のみ。

それでもクライスラーは8名を集めて「ヴァイパーのミドシップ化計画」を開始し、出力軸が後ろ向き、逆に前向きといった2つの構造を検討することになりますが、これはメカニズム面、そしてコスト面両方からの検討がなされたそう。
たとえば出力軸が前にあるほうはクルマの幅が大きくなり、室内空間が犠牲になる反面、既存のヴァイパーそしてクライスラー車が持つコンポーネントを流用できるためにコストが安い、など。

両方のレイアウトにおいてシートは前に移動し、ヒップポイントが下がることでルーフは低くなってホイールベースが長くなり、フロントエンジンのヴァイパーとは異なる姿になったものの、「フェラーリと比べても見劣りしない」スタイリングだったとされています。
ただ、ヴァイパー生みの親にして当時のクライスラー代表であったボブ・ラッツ氏はこれにあまり興味を示さず、そのまま開発メンバーのうち数名が退職を迎えるなどしてこの計画「ミドシップGT=GTM」は消滅した、とのこと。

ヴァイパーのミドシップ化担当者がフォードへと移籍

そして事態が急展開を迎えることとなった転機が、上述のクリス・テオドア氏、つまりヴァイパーのミドシップ化を率先してきた人物がクライスラーを去ったのちのフォードへの移籍。
クリス・テオドア氏はクライスラーでのプロジェクトにおいて「不完全燃焼」といったフラストレーションを抱えており、フォードにてようやく2005年にこれを実現したことになりますね。

なお、フォードとしてもル・マンでもっとも成功したレーシングカーの一つ、「フォードGT40」を市販車として蘇らせる計画を持っていたものの、幾度となくその難易度の高さから頓挫していたとされ、テオドア氏の移籍は「願ったり叶ったり」だったのかもしれません。

実際にミドシップスーパーカーを作るのは大変に難しく、モータースポーツで数々の輝かしい歴史を築いてきたBMWですらミドシップスーパーカー「M1」を自社で開発するのは難しいと判断してランボルギーニへと開発を委託していますし、レクサスLFAも開発当初はミドシップも検討されたものの「操縦性に難がある」としてFRが選択されたほど。

今回シボレーはコルベットを今回ミドシップ化することになりますが、このミドシップ化についても1964年にミドシップ版の試作車が製造されていて、それが今回54年かかってようやくミドシップ化されることに。
もちろんこれは(ミドシップ化したとして)満足の行く性能を発揮させるのが容易ではないということのほか、ほとんどのパーツが新規の設計せざるをえないという理由から「異常に高くなるコスト」など様々な問題があり、しかし今回「すべてのタイミングが一致した」結果だと言えそう。
逆に考えると、そうでもなければ、フロントエンジンのクルマをミドシップ化するのはこれほどにハードルが高い、ということですね。

VIA:Hagarty

 

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