もはやマットカラーも普通になってしまった
マクラーレンが新たにMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ。マクラーレンのカスタム部門)にてカスタムされた720Sスパイダーを公開。
これは三色を組み合わせた「グラデーション」含む塗装が最大の特徴となり、その三色とはMSO専用色のセルレアン・ブルー(Cerulean Blue)、バートン・ブルー(Burton Blue)、アビス・ブラック(Abyss Black)。
この三色をもってこのマクラーレン720Sスパイダーを構成しているということになりますが、その塗装には260時間を費やしている、とのこと。
グラデーション塗装はカスタムにおけるひとつの流行に?
なお、最近いくつかのメーカーで見られるのが「グラデーション」。
マクラーレンはこれにいち早く着目し、720S発表直後にグラデーション塗装を採用した「720Sヴェロシティ」を公開していますね。
さらにランボルギーニも日本市場参入50周年記年車として、日本限定となる「アヴェンタドールSロードスター 50th Japan アニバーサリー・エディション」を5台のみ(それぞれカラーが異なる)投入。
そしてアストンマーティンも「ヴァルキリー」のカラーサンプルとしてグラデーションを公開していますね。
こういった「グラデーション」が増加してきた背景としては、顧客が「より特別なクルマ」を求めるようになったという背景があるのかも。
上述のように、今回のマクラーレン720Sスパイダーでは260時間もの手間がかかり、それはもちろん「車両価格」として跳ね返ってくることになりますが、そのぶん「他の人が持ちえない」クルマを持てる、ということに。
最近は各自動車メーカーとも顧客の要望に応える形で「オーダーメイド」を加速させていますが、そのオーダーメイドも「普通」になってきていて、つまりは「カスタムがインフレしている」中での新しい表現手法がグラデーションなのではないか、と考えています。
なお、パっとグラデーション塗装された車両を見ると「スプレーでしゃしゃっと塗ればいいんじゃないの?」と思いがちですが、こういった塗装は「組み上げてから塗る」のではなく(最後のクリア塗装が必要なので物理的に、かつ工程上不可能)、パーツ単体で塗装することになり、よって「組み上げたときにちゃんとグラデーションに見えるように想定して各パーツを塗る」必要があるわけですね(もしくは仮組みしてグラデーション塗装を行い、その後に分解してクリア塗装を施して再度組み立てるか)。
マクラーレン720Sのグラデーションは「光」をイメージ
そして今回のグラデーションにおいて面白いのは、単に「下から上に(もしくはその逆に)」カラーが変わるのではなく、各パーツ単位で、下から青い光を照らされたように色が変わっていること。
それはドアミラー下部やリアウイング裏面を見ると顕著ですが、かなり珍しいアプローチだと思います(そして、エアインテークなど”機能”によっても色分けされている)。
なお、ボディカラーそのものはメテオライトグレーで、ホイールはアビスブラック、ブレーキキャリパーはバートンブルー、グラデーションに使用されるのがセルレアンブルー。
そのほかディフューザー、トノカバー、Bピラーはグロス仕上げのカーボンファイバーとなり、車体全体を通じて深みのある表情を見せることとなっています。
インテリアはベースカラーがブラック、そこにブルーのアルカンタラによるアクセントが入り、ステッチはグレー。
ヘッドレストやペダルには「MSO」ロゴ。
キーも特別仕上げとなり、明るいブルーからブラックまでの「グラデーション塗装」となります。