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国産車ディーラーは見込み客管理が甘い?輸入車ディーラーとの決定的な相違点を考えてみた

2019/03/26

実は国産車ディーラーの方が「敷居が高い」

ぼくは国産車、輸入車とわず興味があるものの、実際に購入するのは輸入車の割合が圧倒的に高くなっています。

それは輸入車のほうが性能が高いということもあるものの、輸入車ディーラーの方が「顧客管理や、セールスさんのレベルが高いんじゃないか」と感じていることも大きく関係。

クルマは「買って終わり」ではなく「買ってからがはじまり」だとぼくは考えていますが、国産車ディーラーには「買ってからもつきあえる」というセールスさんがほとんどおらず、買ってからディーラーと付き合うという環境もない、と考えているわけですね。

これは日本企業特有の問題とも言える

ただ、これはセールスさん個々の能力というよりは、ディーラーの考え方の相違だと捉えて良さそう。
基本的に国産車ディーラーでは「すぐに買う客」しか相手にしていないという印象があり、ちょっとそのクルマに興味があってディーラーを訪問しても、「ご予算は?」「購入時期はいつですか?」という質問ばかり。

つまりは「(今すぐ)売ることしか考えていない」という雰囲気プンプンなわけで、その後に他の車と迷い、他のクルマを買った後、「申し訳ないのですが、ほかのクルマを買いました」と連絡すると、そのご連絡がプッツリ途絶えることが大半です。

ただ、購入に至らずともそのクルマの購入を考えたことには変わりはなく、将来的に事情が変わればそのクルマを買う可能性もあるわけで、一応「見込み客」として(ぼくを)キープしておき、たまにDM(Eメールでも構わない)でも送ってくれたらいいのにな、と考えるわけですね。

買い物は「タイミング」

というのも「買い物はタイミング」だと考えていて、たとえばそのときにそのクルマを買わなくても、住環境や家族構成、仕事が変わればそのクルマ(もしくはそのディーラーのほかのクルマ)が必要になったり、「増車」したりすることも想定され、国産ディーラーは(連絡を打ち切ることで)そういった可能性を自ら閉ざしているのだ、とも考えています。

一方で輸入車だと、そのとき買わなかったとしても、そして試乗だけで訪問したとしても、その後一定期間はずっと連絡をくれることが大半。

そんな感じで関係性が途切れずにいると、気になる新型車が登場した際にもそのクルマを見に行きやすかったり、そうやって関係性を維持しているうち、何らかのきっかけでそのディーラーのクルマを購入したり、もしくは知人や友人、家族を紹介する可能性もあるわけです。

きっかけがあればポンと購入する人もいる

実際のところ、ぼくが「イキナリ」クルマを購入するのはそういった経緯もあって、たとえば気になるクルマは常に何台かありますが、たとえば現在乗っている718ケイマンの場合は突如「出物」が出てきて購入したわけですが、それも普段からディーラーとの接点があり、「グラファイトブルーっていい色ですよね」と言ったぼくの言葉をディーラーのセールスさんが覚えていたから購入につながったとも言えます。

つまりは何気ない会話からでも「購入に至る」きっかけが生じることになり、しかし国産ディーラーのように「接点を断ち切ると」こういったことも起こらない、ということに。

たとえばアウディは定期的に「値引き解禁」となりますが、ぼくがTTを二台乗り継いだことを知っている(そして時々連絡をくれる)アウディのセールスさんは、値引き解禁時に「今なら安くできるTTありますよ」とぼくに一報を入れれば、ぼくは「えっそうなの」とTTを買うかもしれない、というわけですね。

日本企業は「将来のための仕事」を軽視している

これについてはいろいろな理由があると思いますが、輸入車は一般に高額で、そうそう購入する人がいないこと、そのために「興味を示した人」をつなぎとめておかねばならないことや、輸入車に乗る人はそのブランドのクルマを購入すると継続して購入したり、買増したりする傾向があることを踏まえ、「連絡を途切れさせないように」しているのだと思われます。

つまり、今は買わなくとも「いつか」買ってくれる、そして買ってくれてそのブランドのファンになってくれれば永続的に買い続けてくれるかもしれない、ということですね。

国産車ディーラーは「客は無限」と考えている

加えて国産車の場合は「買ってくれる人はいくらでもいて、この人が買わなくても他の客がいる」と考えているのが明確に伝わってくることになり、「買わない人は客じゃない」、そして「釣った魚にエサはやらん(いったん売れば、その客よりも”次の客”のほうが重要)」的な傾向がある、と考えています。

日本の会社では、よく社員は「歯車」にたとえられることでもわかるとおり、会社自体が「社員の代わりはいくらでもいる」と考えているのもまた事実。
そして、そういった考え方で自動車メーカーやディーラーが経営されていると、その考え方が社員(セールスさん)にも伝播し、かつセールスさんも目先の利益、刹那的な成績だけを求められると、顧客に対しても「お前の代わりはいくらでもいる(他メーカーのクルマを買った人にかまってられない)」となってしまうのでしょうね。
これは良くない意味でトップの考え方が末端にまで浸透している例なのかもしれません。

なお、現在は自動車販売がどんどん減少し、人口も減ったり若者のクルマ離れも深刻な状況。
しかしそういった状況の中で「なんぼでも買う人はいる。お前じゃなくてもな」という姿勢は非常に危険だとも考えられ、こういったトップ、そして現場の認識を変えないと国産車の販売は伸びないんだろうな、とも思うわけですね。※様々な不正も、現場がやりたくてやったんじゃなく、こういった経営側からのプレッシャーが招いた事態だと考えられる

目先の利益ばかりを追求していると将来を失うぞということですが、おそらく国産車ディーラーでは「売上」がすべてで、「見込み客のメンテナンス」は評価項目にないのかもしれません。

輸入車ディーラーは「限られた客」をしっかりメンテする

逆に一部の輸入車ディーラーは、見込み客管理が評価に含まれ、イベント時にショールームに(客を)呼んだりすると評価がプラスになったりという事実もあり、「将来に向けて」の仕事も必要だということを認識していますが、このあたりは国産車ディーラーも導入検討が必要なのかも。※もちろん輸入車ディーラーも日本の法人が経営しているが、評価システムなどは本国のものを使用している事が多い

ちなみにレクサスはずっと前から「輸入車方式」を取り入れていて、顧客を大切にする傾向があり、現在では「トヨタ」にもそれは波及しつつあるようには思いますが、まだまだレクサスを除くと国産車ディーラーの対応はぼくから見ると「冷たい」ものばかりで、かつあまりに商業主義的でもあり、「輸入車ディーラーよりも国産車ディーラーの方が、よほど敷居が高いな」と感じる次第です。

なおフェラーリは「もっとも強力なブランド」に選ばれましたが、その理由は「将来のための仕事もしているから」。

現代においてブランディングとは「高級品を売るためのもの」ではなく、持続的な成長を可能にするためのものであり、今の日本企業に欠けるのは「将来を見据えた投資」なのかもしれません。

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