
| 信号機に「黄色」がなかった時代の恐ろしい結末 |
この記事の要約
- 黄色の生みの親: デトロイトの警察官ウィリアム・ポッツが、鉄道信号をヒントに「3色信号」を考案した
- もう一人の天才: 黒人発明家ギャレット・モーガンが「全方向停止」という画期的な安全機構を開発
- 意外な副産物: モーガンは「ヘア整髪料」や「ガスマスクの原型」も発明していた多才すぎる人物だった
今では当たり前にある信号機の「黄色」。
しかし、かつて信号機は赤と緑の2色しかなかったといい、止まるか進むか——その中間がない世界で、交差点は常に衝突の危機にさらされていた、とされています。
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そもそも信号の歴史は車より古く、1800年代半ばのロンドンで馬車向けに始まったそうですが、当時のガス式信号機は爆発して警察官を死傷させるという悲劇的なデビューを飾ることに。
その後、1914年に電気式が登場したものの、やはり「もうすぐ信号が変わる」を知らせる黄色は存在しなかったのだそう。
この混沌とした状況を救うため、異なるアプローチで解決に挑んだ二人の人物が「信号機の黄色表示」を生み出します。
黄色信号の真の発明者、ウィリアム・ポッツ
まず、「黄色信号」の直接的な生みの親はデトロイトの警察官、ウィリアム・ポッツ。
1920年、彼は日々発生する交通事故を減らすため、当時すでに鉄道で使用されていた「黄色(琥珀色)」の注意信号を街頭の信号機に取り入れることを思いつき、まずポッツは赤・黄・緑の3色を4方向から見える箱に収めた、現代の形に近い信号機を製作します。
デトロイトの非常に交通量の多い交差点(1日2万台以上)に設置されたこの信号は大成功を収め、1930年代には全米、そして1935年には世界標準の仕様として認められることになったわけですね。
車種や技術を支えた発明家たちの物語
信号機の歴史を語る上で、もう一人欠かせないのがギャレット・モーガン。
ギャレット・モーガンと「全停止」の特許
モーガンは1923年に手動式の信号機で特許を取得していますが、彼の発明の特徴は、信号が切り替わる前に「すべての方向を赤にする(All-Stop)」という時間を設けたことであり、これによって交差点内に残っている車両が安全に抜け出せるように。
彼はこの特許を当時、現在の価値で数千万円にも換算できる「4万ドル」でゼネラル・エレクトリック(GE)社に売却した、という記録も残っています。
モーガンの驚くべき多才さ
彼は信号機以外にも、現代のテクノロジーに繋がる驚くべき発明を残しており・・・。
- ガスマスクの原型: 1916年のトンネル事故で自ら発明した「安全フード」を被って労働者を救出し、軍に採用される
- ヘアケア製品: ミシンの針が布を焦がさないための化学薬品を開発中、偶然「髪をまっすぐにする効果」を発見し、大ヒット商品を世に送り出す
比較:初期の交通制御
| 特徴 | ポッツ式(警察官) | モーガン式(発明家) |
| 導入年 | 1920年 | 1923年(特許取得) |
| 主な色・機構 | 赤・黄・緑の3色電球 | 手動クランク式・セマフォ看板 |
| 革新的な点 | 鉄道の安全基準を道路に導入 | 全方向停止による交差点のクリア |
| 現代への影響 | 現在の信号機の配色・標準 | 信号の切り替わり時間の概念 |
結論:安全は「小さな光」から始まった
ぼくらが毎日何気なく見ている黄色信号。
それは、爆発事故や衝突事故が多発していた時代の悲劇を繰り返さないため、現場の警察官ポッツの知恵と安全への貢献意欲、そして天才発明家モーガンの安全への情熱が融合して生まれたもの。
黄色信号は「急げ」の合図ではなく、先人たちが「命を守るために作った時間」です。
次に信号が黄色に変わったときは、100年前にこの光を灯した彼らの功績をちょっと思い出してみるのもいいかもしれません。
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参照:Jalopnik















