| AMG GTはモデルチェンジを機にAWD化か |
メルセデスAMGのボス、トビアス・メアース氏によると、「これからのAMGモデルはすべて4WDになる」とのこと。
なお、これについては消費者の要望だとし、「消費者がこの答えをくれた。消費者がもっとも我々に求めるものは4WDだ。かつて、AMG Eクラスが後輪駆動であった際に、4WDをオプション設定していたが、実に90%もが4WDを選択した。」とも語っています。
AMG GTの顧客すら4WDを求める
ちなみにメルセデスAMGは、後輪に駆動力のすべてを振り分けることができる4WDシステムを持っており、「4WDが後輪駆動を兼ねる」状態。
ただし重量(と価格)は増加するものの、安全性を考えた際には4WDが必要な場面もあって、ということは「RRと4WDとを行き来できるシステム」が最適解なのかもしれませんね。
そしてここで気になるのはピュアスポーツである「AMG GT」。
現在AMG GTは後輪駆動のみですが、トビアス・メアース氏いわく「AMG GTも4WDであるべきだと考えている」。
メルセデスAMG GTは純度の高いスポーツカーではあるものの、どうしてもその良さが消費者には伝わらず、それは「メルセデス・ベンツ」という高級車イメージが邪魔をしている可能性があると考えていますが、であればいっそのこと4WDを採用して高級路線に走った方がいいんじゃないかと思うことも。
そしてAMGはユーザーとも「AMG GTのAWD化」について話し合ったとしており、その結果としてもユーザーが安定性と安全性の観点から4WDを求めているという結論を導き出したと語っていて、つまりこうなるとAMG全車の4WD化は避けることができない(むしろ進むべき)方向性だと言えそうですね。
なお、スポーツカーに4WDを採用するメーカーとしてはランボルギーニが筆頭に挙げられますが、アウディもこれは同様。
この2ブランドは「速く走るためには4WDが不可欠」というスタンスを貫いていて、反対に後輪駆動にこだわるのはマクラーレンとフェラーリ(フェラーリは例外的にGTC4 LussoでAWDを採用している)
BMWとポルシェは4WDと後輪駆動とが混在し、両者ともピュアスポーツについては後輪駆動を採用する傾向にあるようです。
「スポーツカーに4WD」という是非については難しい問題ではありますが、個人的には「なんとも」。
スタビリティを考えると4WD以外の選択肢はなく、しかし操る楽しさ、ピュアさを考えるとやはり後輪駆動。
4WDでは「イニシャルD」でもあったとおり「余計なものがついている」ということには間違いなく、そしてそれがもたらす影響(重量だけではなくフリクションロスも)についても無視はできず、どちらを選ぶかは何かと何かとのトレードオフということになりそうです(だからこそポルシェは、新型911においてRRと4WDでボディを共通化し、4WDを”選択肢の一つ”という位置付けにしたのだと思われる)。