| アメリカは価格戦略を積極的に活用する |
アメリカにて、ホンダ(現地ではアキュラ)NSXの値引きを2020年3月までの期間限定で「こっそり」開始した、とのこと。
「こっそり」というのは、これをホンダがおおっぴらに宣伝しているわけではなく、購入希望者に対してオファーが行われている状況を指しているようですね。
なお、正確には値引きというよりは北米市場特有の「インセンティブ」というヤツで、これを値引きの原資に充てている、ということに。
ちなみにこの値引き額はなんと2万ドル、つまり日本円にして220万円ほどなので、「相当に大きな」額となります。
アメリカではNSXの販売が極端に減っている
今回の値引きが適用されるのは2019年モデルで、2019年モデルのNSXの価格が159,300ドルということを考えると、その比率は実に12%。
こういったスーパーカーでこれだけの額を引くというのは前代未聞ですが、それだけ「売れてない」ということなのかもしれません。
ちなみに北米市場において、NSXがもっともよく売れたのは2017年で、「581台」。
そして2018年はわずか170台に落ち込んでいるため、人気が失速しているのは間違い事実でもあります。
なお、これだけの落ち込みを見せている理由は全く不明。
とくに競合が登場したわけでもなく、ホンダ側も首をかしげているかもしれません。
現在北米ではスーパーカーセグメントが成長しており、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、アストンマーティンなど「右肩上がり」。
この状況においてホンダNSXのみが縮小しているというのは理解ができず、急速にその輝きが色あせたというより他はないのかも。
なお、NSXは日本では非常に高い(といっても”想定より”)人気があるとしており、開発拠点を日本に移すと報道されていますが、これは2018年の落ち込みを考慮してのことかもしれませんね。
他の地域だと、オーストラリアではNSXは全く売れていないことが判明しており、その人気に「地域差」があるという珍しいスーパーカーでもありますね。
日本だとこういった「高級車やスーパーカーの値引き」は珍しく、それはブランド品でも同様。
ただ、アメリカでは「価格」を販売における重要な要素だと位置づけており、積極的に価格を変動させることが多いようです(マーケティングの4Pのうちのひとつ、”Price”でもある)。
そのため、レクサスにおいても「ちょっと売れ行きが鈍ると」すぐに値下げを行いますが、これも日本では考えづらい対策でもありますね。