| フェラーリの伝統を重んじながらも最新のデザインと機能にアップデート |
さて、フェラーリSF90ストラダーレに採用される技術紹介「第二弾」。
正直ぼくは、フェラーリSF90ストラダーレについて「とんでもないクルマを出してきたな」という印象を持っていて、エアロダイナミクス、パワー、ハイブリッドシステム、駆動方式など「他社のお株を奪い去ってしまう」要素をほぼ全て備えているわけですね。
さらにフェラーリのブランド力を考慮すると「他メーカーはどうやってこのSF90ストラダーレに対抗すればいいの・・・」という感じ。
フェラーリSF90ストラダーレのエアロダイナミクス、パワートレイン、クーリングはこうなっている。F1由来の技術を見てみよう
フェラーリSF90ストラダーレのデザインはこうなっている
フェラーリいわく、SF90ストラダーレのデザインは「フロント、センター、リアのボリュームの割合を完全に見直した」。
それによって、過去20年にわたり製造してきたミドシップスポーツカーのデザインを革命的に進化させたと主張しています。
部分的にはラ・フェラーリ、J50、セルジオなどに採用された意匠も見られますが、全体としてはたしかに「新しい」時代に突入したと感じさせられるデザインだと思います。
なおフェラーリは、SF90ストラダーレについて、「F8トリブートのようなミッド・リア・エンジン・クーペと、ラ・フェラーリなどのスーパーカーの中間に位置する」と述べていて、つまりフェラーリ的感覚だと「F8トリブートはスーパーカーではない」ということになって、より厳しいセグメンテーションを行っているということになりますね。
マトリックスLEDヘッドライト
SF90ストラダーレよりヘッドライト形状が変更され、今までの「L字」から「C字」型へ。
正確に言うならば、ひし形ヘッドライトの上に「ウイングが乗っている」といった感じですね。
なお、のヘッドライトはフェラーリ初の「マトリクスLED」。
航空機を思わせるキャブフォワードデザイン
SF90ストラダーレは「ミドシップ」ですが、それを強調するようにリアオーバーハングを切り詰め、コクピットを視覚的に前に移動。
かつ、「ドーム・フォルム」を採用することで航空機のコクピット(キャノピー)をイメージさせているようです。
視覚的な高さを抑えるテールライト
そして今回驚かされた「丸形ではない」テールランプ。
F8トリブート発表時には、「丸4灯はフェラーリのV8ミドシップの特徴的なデザイン」と述べていましたが、このSF90ストラダーレについては、同じくV8ミドシップながらも「ハイブリッド」ということで、新しいデザインを採用してきたのかも。
なお、フェラーリによると「丸形を進化させ、ランプの上下を水平にすることで、テールの高さを視覚的に低く見せる」。
加えてエンジンの搭載位置をこれまでのミドシップモデルよりも低くし、これによっても「テールの物理的高さを抑えることができた」とも述べています(つまりフェラーリはリアエンドを低くしたい)。
フェラーリSF90ストラダーレのインテリアはこうなっている
フェラーリSF90ストラダーレでは「フェラーリ初」のデジタルディスプレイを採用。
フェラーリはこの分野で出遅れたことになりますが、多くのメーカーが採用する12.3インチではなく、「16インチ」で巻き返しを図ってきたことが特筆すべき点です。
中央にレブカウンター、そして左右にカーナビゲーション画面と車輌情報表示、というレイアウトはこれまでと変わらず、これまでのフェラーリオーナーにとっても馴染み深いものかもしれません。
なお、このディスプレイはドライバーに向かって湾曲しているようで、電源OFFでは完全にブラックアウトし、電源ONや画面切り替え時のアニメーションが「魅力的」だと述べられています。
そしてフェラーリらしいのは、「手はステアリングホイールに」とう思想のもと、ステアリングホイールを握った状態で車両の殆どをコントロールできること。
フェラーリはかなり早い段階にて、ステアリングホイール上にウインカースイッチを設置していますが、同様の理論にて、今回は右スポークに「タッチパッド」を採用(これでエアコン操作もできる)。
まさかフェラーリがステアリングホイール上にタッチパッドを採用するなどとな夢にも思わなかったものの、これも 「手はステアリングホイールに」 という、ドライバビリティ重視の考えであれば納得ですね。
ちなみにステアリングホイール上には「回転スイッチ」も設けられ、これもまたF1から導入されたソリューションである、とのこと。
そしてコクピット全体的なデザインは「ラップアラウンド」。
これもキャビンの外側同様に航空機(というか戦闘機?)をイメージした結果ですが、「手はステアリングホイールに」のほかに「視線は路上に」というコンセプトもあるようですね。
そして、それを実現するためにヘッドアップディスプレイが採用されていると紹介されています。
なお、これらのデザインは今後のフェラーリに引き継がれる、とも。
フェラーリSF90ストラダーレのスペックはこうなっている
すでに加速性能等は発表されているものの、より詳細な数値も公表に。
フェラーリによると、各々の数字は下記の通り。
・出力・・・1000CV(986馬力) ・0-100km/h加速・・・2.5秒 ・0-200km/h加速・・・6.7秒 ・最高速度・・・340km/h ・100-0km/h・・・29.5メートル ・フィオラノサーキットのラップタイム・・・79秒 ・レブリミット・・・8000rpm ・圧縮比・・・9.5:1 ・バッテリー容量・・・7.9kWh ・EV走行レンジ・・・25km ・トランスミッション・・・8速DCT ・駆動方式・・・E4WD ・駆動力配分・・・F45:R55 ・サスペンション・・・SCME-Frs ・トラクションコントロール等制御デバイス・・・F1-Trac、ABS/EBD、FDE2.0 ・ボディサイズ・・・全長4710/全幅1972ミリ ・ホイールベース・・・2650ミリ ・車体重量・・・1570kg ・タイヤサイズ・・・F:255/35ZR20/9.5J R:315/30ZR20/11.5J ・ブレーキサイズ・・・F:398ミリ R:360ミリ ・トランク容量・・・74L ・リアシェルフ容量・・・20L |
フェラーリSF90ストラダーレには2グレードがある
SF90ストラダーレには、フェラーリとしてはじめて「標準仕様車」と「スポーツ指向仕様車」とを用意。
ただし現時点だとその内容は不明で、追って明かされることになると思われます。