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ランボルギーニは「エレクトリック」「カーボン」に関して他社と異なる方法を模索。MITとキャパシタに関する特許を完成、そしてロケットにて複合素材を「宇宙(ISS)に送った」と発表

2019/11/08

| ランボルギーニの「軽量化」に対する熱意はハンパない |

ランボルギーニが、マサチューセッツ工科大学(MIT)と共同で進めている「次世代スーパーキャパシタ」に関する特許申請が最終段階に達した、と発表。
両者のパートナーシップは3年前に開始されていて、その成果として具体的に出てきたのが「テルツォ・ミッレニオ(2017)」。

これは2035年のランボルギーニをイメージしたコンセプトカーではありますが、マサチューセッツ工科大学と共同にて研究した「繊維状のバッテリー」をボディ表面に使用したところが最大の特徴です。
通常、EVは「バッテリー」はもちろん、「ボディパネル」も備えますが、「どうせ必要なものならば、ひとまとめに」ということで一緒にしてしまい、これによって軽量化を図った、ということなりそうですね。

ランボルギーニがボディにバッテリーを織り込んだ”Terzo Millennio(テルツォ・ミッレニオ)”発表。「エレクトリック」「軽量」「空力」を追求

なお、「一つのパーツに2つ以上の機能をもたせ、構造のシンプル化と軽量化をはかる」のはロータスの得意とするところで、しかし今後の自動車において、これは重要な考え方なのかもしれません。

ランボルギーニがこういった「バッテリーとボディとを一緒に」「スーパーキャパシタ開発」という背景には、まず「ハイブリッド化、エレクトリック化は避けることができない」ということが前提にあると思われ、その上で「どうしても重くなってしまうバッテリーをどう処理するか」という解決策を模索したものだと思われます。

そこで「バッテリーをボディパネルとして機能させる」という考え方や、「バッテリー(リチウムイオン電池)ではなく、スーパーキャパシタを使用する」という結論に至ったのでしょうね。

「研究は我々の未来を実現できるレベルにて達成された」

「キャパシタ」について補足しておくと、これはいわゆるコンデンサ(電気二重層コンデンサ)で、電気を通電させておけば、そのキャパシタの容量に応じた電力を蓄え、必要に応じて放出させることができるという便利なシロモノ。
「リチウムイオンバッテリーの3倍の蓄電能力を持ち、重量も1/3」という特徴があり、ハイブリッドシステム全体で非常に軽量に仕上がることも特徴です。
ただし現時点でこれを採用した市販ハイブリッドが存在しないところを見ると、価格なり技術面なりコントロール面なりでなんらかのハードルがあると思われ、これを解決するための研究が、MITとランボルギーニが行っていることそのものだと思われます。

今回の研究の成果について、ランボルギーニのステファノ・ドメニカリ氏は「ランボルギーニの求める未来を実現できる要件を満たした」と述べ、このキャパシタはMITの科学部門にて合成(製造)されることになる、とのこと。

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ランボルギーニはハイブリッド用の電源としてスーパーキャパシタを使用する模様。「スーパースポーツにとってこれが最も効果的な解決策だ」

よって、今回の研究の成果をもって、今後発売されることになるアヴェンタドール後継モデル、ウラカン後継モデルは、それぞれV12、V10自然吸気エンジンを持ちながらも「スーパーキャパシタによる」軽量かつ高い出力を持つハイブリッドシステムを有することになると考えるのが妥当(このあたりには言及されていないので、まだまだ不透明ではある)。
そして、これによってレイアウトの自由度や軽量性、メンテナンス性といった部分においてライバルに対し、かなりのアドバンテージを持つとも推測され、今後の展開に期待したいところですね。

ランボルギーニは「宇宙」にも

そしてランボルギーニは、「11月2日に、我々の製造したコンポジット素材が宇宙に旅立った」とも発表。
これは同日にヴァージニア州より打ち上げられたノースロップ製グルマン・アンタレス・ロケットに搭載されており、国際宇宙ステーションに運ばれ、そこで「極限の環境下で」のテストを受ける、とのこと。
運ばれた素材はカーボンファイバーをメインに構成した「5種類」だとアナウンスされており、テストの結果は車両や医療技術にも反映されるようですね。※ランボルギーニは、すでにカーボンファイバーをもって医療技術分野への参入を行っている

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なお、このプロジェクトはアメリカの国立機関(ISS U.S. National Laboratory)およびヒューストン・メソッド・リサーチ・インスティテュートによってサポートされる大規模なものですが、ランボルギーニはこれまでにもカーボン技術に関して(ゴルフの)キャロウェイ、ボーイング、名古屋工業大学とも共同研究を行っており、自動車業界では「カーボンファイバーについて最先端」の技術を有する会社のひとつと考えて良さそうです。

VIA:Lamborghini

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