| 現在も70系ランクルは一部地域向けに製造されていることを考えると、「可能性がない」とは言えない |
さて、東京オートサロンに展示されていたトヨタ・ランドクルーザーのカスタムカー、「GTGランドクルーザーコンセプト(GTG Land Cruiser Consept)」が話題に。
このクルマはショップがカスタムしたものでもトヨタ本体によるコンセプトカーでもなく、トヨタの正規ディーラー「群馬トヨタ」が製作したもの(GTGとは「群馬トヨタグループ」の略)。
しかしながら、正規ディーラーが製作して公の場に展示するからには「トヨタ本社も認識している」クルマなのだと考えて良さそうですね。※でないと、シンガポールのスバル”FUCKS”にように大変なことになる
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コンセプトは「不易流行」
そしてこのGTGランドクルーザーコンセプトは「不易流行」「正当進化」をテーマに掲げたカスタムカーで、画像を見てのとおり細部をスマートな「イマ」風に、そしてヘッドライトやフォグランプにはLEDを採用するなど最新の技術を与えたもの。
インテリアについてもUSBソケットが装備されていたり、サスペンションがリーフ式ではなくコイル式に変更されていたり、と数々の変更が与えられているようですね。
そこでちょっと気になるのが「70系ランドクルーザーの復活」。
70系ランドクルーザーは1984年に登場し、日本国内では2004年まで販売が継続されています。
しかしながらその後、「70系ランクル発売30周年」を記念し、2014年8月25日から2015年6月30日までの期間限定モデルとして復活を遂げていますが、「1年間期間限定」となったのは、2015年後半より導入された新しい保安基準に適合しなかったため。
ただ、70系ランドクルーザーはそのシンプルな構造に起因するタフさ、壊れても現地のショップやパーツでなんとか修理できるということからも「実用」車として非常に高い評価を得ており、なんと現在でもアフリカほか一部地域向けに新車として供給されています。
なんと南アフリカでは70系ランドクルーザーが現役で販売されている!さらにインフォテイメントシステム、LED室内灯を装備したニューモデル「ナミブ」を投入
ちなみに今回のGTGランドクルーザーコンセプトは画像を見る限り左ハンドルなので、海外向けにトヨタが製造した70系ランクルを「1台だけショー用に調達した」可能性が大。
ちなみに70系ランドクルーザーの製造はトヨタ車体の所有する吉原工場ですが、今回のGTCランドクルーザーコンセプトのボディサイドには「トヨタ車体」のスポンサーステッカーがは貼られているので、なんらかの協力関係があったと考えて良さそう。
こういった点を見ても「このGTGランドクルーザーコンセプトは単なるディーラー企画モノではない」とも考えられ、もしかすると(限定ながらも)発売があるんじゃないかと考えたりするわけです。
すでに販売終了したクルマを「復刻」して過去に逆戻りというのは非現実的にも思えますが、ランクルは「不変の価値」を持ち、すでに300系ランクルの登場が囁かれる現状においても70系は70系の存在意義を持っていて、現実的に多くの人が復刻を待ち望んでいるかもしれません。
実際に「ディーラー企画モノ」が公式に発売される例も
なお、こういった「ディーラー発信型」カスタムカーが公式に発表される例はいくつか過去にもありますが、直近の例だとやはり東京オートサロン2020に展示された「GTGハイラックスGRGコンセプト」。
これは南米限定で発売された「ハイラックスGRスポーツ(画像)」に触発され、日本国内のGRガレージ12拠点が共同して20台限定にて発売されることに(456万円~)。
ディーラー限定といえど「GR」の名を冠した、トヨタもお墨付きを与えたコンプリートカーということになりますね。
もうひとつ参考までに、FJクルーザーはもともとロッド・ミレンが現行車を懐古調にカスタムした「レトロクルーザー(2000年)」がことの発端。
これが人気化して実際に北米のトヨタ法人から発売されることになったわけですが、これは日本でも大きな話題を呼ぶことになり、並行輸入が活発化したことからもトヨタが「日本国内正規販売」に踏み切ったという経緯を持っています。
これら、そして過去の例を考えると、今回の70系ランドクルーザーをベースにした「GTG Land Cruiser Concept」も状況によって市販化の可能性もあるんじゃないかと考えていて(保安基準、右ハンドル化など課題はありますが)、続報を待ちたいところですね。