| やはりスーパーカーオーナーは頼もしいな |
さて、新型コロナウイルスの影響にて懸念されるのがスーパーカー市場の崩落。
2008年のリーマンショック発生の際には大きくスーパーカー市場に影響があり、ランボルギーニの販売がドカンと落ち込んだのはすでに述べたとおり(翌年には2008年の半分以下にまで落ち込んでいる)。
このとき日本ではフェラーリも影響を受けていて、多くのキャンセルが発生したといい、それらキャンセル車を「待たずして購入できた」とも。
今回のコロナショックでは事情が異なる
そして今回のコロナウイルスが日本のスーパーカー市場にどう影響を与えるのかは非常に気になるところで、そう思っていた矢先、GQに連載されている人気企画「29歳、フェラーリを買う」にて、”Vol.45 新型コロナウイルス問題でフェラーリの新車販売はどうなる!?”というエントリーが。
これによると(その筆者が、いつもメンテナンスを依頼しているニコル・コンペティツォーネに聞いた話として)「フェラーリ、(他に扱っている)ロールスロイス、アルピナのキャンセルはまったくなく、中古車販売も影響を受けていない」。
その理由としてニコル・コンペティツォーネのセールスディレクター、ミヒャエル・ヴィット氏いわく「アルピナの場合だと、かなりな経済的余裕のある人が購入しており、オーナーとしては医師、個人事業主、会社役員が多く、そういったオーナーは景気の悪化に懐が左右されにくい」ということ、「フェラーリは供給を絞っているので本当に欲しい人しか買えず(転売目的で購入する人は少ない仕組みになっている)、よってキャンセルが少ない」とのこと。
参考までに、後者の「転売目的で購入する人が少ない」については、様々な対策を取っているためだと思われ、フェラーリ以外のメーカーですが「注文者と支払い者、登録者が一致しなくてはならない」という制限を設けており、カラ発注ができないようになっていると聞いたことがあります。
さらに加えて、ミヒャエル・ヴィット氏によれば、「工場の稼働停止に伴う納期遅延は発生していない」とのこと(もともと、フェラーリの生産ラインには余裕があったのだと思われ、生産停止期間分を年間通じて取り戻すのは訳ないのだと考えられる)。
つまり現時点では、ニコルの扱うフェラーリ、ロールスロイス、アルピナでは新車・中古車ともに「販売に影響はない」ということになりますが、まさに”恐るべし富裕層”。
こういった現状を見るに、日本経済を回すには、富裕層優先で減税などの対策を行ったほうが「動くお金の量が圧倒的に多い」んじゃないかとも思えますね。
なお、ぼくはオーデマ・ピゲ、パテックフィリップの腕時計を予約しているのですが、とくにオーデマピゲは「ぼくの前にあと数人」という、順番が来る目前であるにもかかわらず、まったくキャンセルが出ていないのか”繰り上がっていない”模様です。
雲上ブランドの腕時計、「パテックフィリップ アクアノート エクストララージ」を予約してきた!いつ手に入るかわからないものの、気長に待つしかなさそうだ
先行きについては不安を示す意見も
一方、いくつかの報道ではスーパーカーを「売り急ぐ」人も多いというものもあり、その理由としては株式相場の値下がり(信用取引を行っていた人は決済のための現金が必要になる)が主なものだとも。
なお、同じくGQでは西川淳氏による「新型コロナウイルス問題でスーパーカー市場はどうなる!?」という記事も公開していて、こちらによると「たしかに売り物も出てきて相場が下がっているが、それは米中の貿易戦争が顕在化した際から見られる傾向でもあり、コロナウイルスが契機とはいいがたい。一方で需要も強く、市場は様子見」。
つまりまだ悲観するような状況ではないということですが、4月になっても売り物件増加傾向が止まらないようであれば「要注意」だとしており、今後の状況を注視するよりほかなさそう。
なお、今回のコロナショックについては、飲食や観光が打撃を受ける一方、「巣ごもり消費」にて在宅ワーク関連グッズ、そしてPC、デスク、ゲーム関連などは異常な販売増を見せており、先日バイク販売店で聞いたところでは「電車通勤を避けてバイクで会社に行く人が増え、原付きと原付二種の販売増加が著しい」。
そのほか、株式相場や為替は「下がる」だけではなく乱高下しており、これらによって大きく利益を得た人も多く、ここもリーマンショックとは”事情が異なる”ところですね。