
| ただし「乗り換えるべき」銘柄があれば売ってもいいだろうと考える |
フェラーリ株が本格的な反転となるのは1-2年という視点が必要となりそうだ
さて、ピークから30%ほども株価が下がってしまったフェラーリ株(RACE)ですが、保有しているうちの一部はほぼ高値で売り抜けたものの、まだ一部を保有しており、現在それらを売却して他の銘柄に乗り換えるかどうかを検討中。
そしてその判断のメインは「今後フェラーリの株価がどう動くか」ということになりますが、フェラーリの今後の業績予想について、2026年以降の最新動向と戦略ロードマップに基づき考えてみたいと思います。
いま「売る」必要はないだろう
そこで結論からいえば、「今はまだ売る必要がない」。
その理由としては、フェラーリの業績は「過去最高の収益性を更新し続ける、極めて強固な成長フェーズ」にあると予測しているためで、2025年Q3決算でも売上高が前年比7.4%増の約18億ユーロに達しており、2026年には「ブランド史上最大の転換点」となる重要なイベントが控えているから。
主な成長要因と今後の展望は以下の通りです。
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フェラーリが示す「揺るぎない成長」の軌跡:2025年Q3決算発表、純利益3.82億ユーロ達成と電動化戦略の全貌とは
| フェラーリの「揺るぎない実行力」が示す絶好調の業績 | 「1台あたり」の利益が大きく向上、収益性に貢献 フェラーリが2025年第3四半期(Q3 2025)の決算を発表し、非常に力強い業績を達成した ...
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フェラーリにとっての「プラス」「期待」材料
1. 2026年:ブランド初の「100%電気自動車(EV)」投入
2026年は、フェラーリが電動化へ本格的に舵を切る年です。
- 初のEVモデル発売:2026年春に初のフル電気自動車「エレットリカ」が公開され、同年後半から納車が始まる予定。これにより、これまでフェラーリを敬遠していた「ハイテク・環境志向の富裕層」という新しい顧客層の獲得が見込まれ、将来に向けた「客像の若返り」が進む可能性が考えられる
- e-buildingの本格稼働:マラネロに新設された、電動車とエレクトリックコンポーネント生産を中心とした工場「e-building」がフル稼働し、モーターやバッテリーの(サプライヤーからの仕入れではなく)自社生産による高い利益率の確保が可能となる
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フェラーリの新しい工場「Eビルディング」ではこうやってプロサングエやSF90が製造されている【動画】
| フェラーリの「Eビルディング」の「E」は「エレクトリック」のEではない | 現時点ではこのE、ビルディングにてプロサングエ、SF90系が製造されている さて、フェラーリは新しく建設した「Eビルディ ...
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2. 強固な受注残と「パーソナライゼーション」
- 2026年末まで受注済み:現在の受注台数は極めて好調であり、今から注文しても納車は2027年以降になるレベル。これによって今後2年間の業績の見通しはほぼ確定しており、非常に安定し他業績を見込める
- カスタマイズ収益の増大:顧客が自分好みの仕様に仕上げる「パーソナライゼーション(注文仕立て)」による追加収益が売上を大きく押し上げており、一台あたりの単価が上昇していることが高利益率(EBITDAマージン約38%)の源泉となっている
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フェラーリの株価が一夜にして15%もの「暴落」。1年前倒しで利益目標を達成、今後の業績についても明るい見通しを示したのになぜ?
| もはや株価は「業績」よりも「期待値」「市場心理」に大きく左右される | 今後の株価の回復には期待がかかる さて、昨日フェラーリは株主・投資家向けに「キャピタル・マーケッツ・デイ」を開催し、様々な財 ...
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3. 次世代ハイパーカー「F80」の貢献
- 限定モデルの爆発力:伝説のF40やラ・フェラーリの系譜を継ぐ最新ハイパーカー「F80」(世界限定799台)の納車が2026年から北米などで始まり、数億円規模の超高額車両が売上に寄与するため、2026年〜2027年の営業利益を大きく押し上げる要因となる
- F80の収益によって「排他性」を維持できる可能性:F80が大きな利益を生むとなれば、フェラーリはその利益をもって補填する形で「通常ラインアップ」の生産台数を減らすことが可能となり、これはフェラーリにとっての「排他性」「希少性」を担保する形となる
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やはりフェラーリは大きな利益をあげていた。5,000人の従業員に過去最高の「234万円の臨時ボーナスを支払う」と発表
| フェラーリは2024年に販売台数をあまり伸ばしておらず「売れていないのでは」と言われたが | その実、フェラーリは大きな利益を稼ぎ出していた さて、2024年のフェラーリの販売台数は「89台しか増 ...
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4. 2026年からのF1「新レギュレーション」
- 2026年からF1のレギュレーションが変わるため、2025年の不振を挽回できる可能性がある
- もし上位に食い込むことができれば、ブランドバリューの向上に加え、F1からの分配金といった「直接的な」利益も見込める
フェラーリにとっての「マイナス」材料
そしてこちらはフェラーリにとっての「マイナス」材料で、その多くは「プラス材料の裏面」と言えるかもしれません。
1. EVが受け入れられなかった場合のリスク
フェラーリの価値の根源は「エモーション(感情)」と「エンジンサウンド」。
これがないEVに対し、市場が「NO」を突きつけた場合、以下のシナリオが予想されます。
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| フェラーリは「ハイパフォーマンスEV」に対する懐疑的なトレンドをひっくり返すことができるのか | それにはまず顧客の「EVに対する偏見」を覆さねばならない フェラーリが2030年までのEV計画を下 ...
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- ブランドの「二極化」:EVが不評だった場合、フェラーリは無理にEVへ注力せず、「超高額な内燃機関(ICE)車」と「ハイテクEV」にラインナップを完全に分離する可能性がある※フェラーリは「ICE(エンジン車) 40% / ハイブリッド 40% / EV 20%」という構成へ向かうという「逃げ道」つまりバックアッププランを持っている
- 限定車戦略の強化:EVが苦戦するようであれば、より希少性の高い「ICONAシリーズを増やし、ICEファンから収益を吸い上げる戦略にシフトする可能性がある。この場合、一時的に収益は上がるかもしれないが「排他性」というブランドのコアバリューを傷つける可能性も
なお、「エレットリカ」が失敗した場合、短期的にフェラーリはEVから撤退するかもしれませんが、その「失敗した希少なEVフェラーリ」が30年後に「(フェラーリの運命を変えるはずだった)珍車」としてとんでもない価値の発揮するという皮肉な価値の残り方をするのがフェラーリというブランドの特殊性でもありますね。
2. 中古車市場の下落に関する懸念
現在、フェラーリを含む高級車の中古・オークション価格がピーク時(2022年〜2023年頃)から大きく下がるといった現状も。
- 「投資目的」の整理:金利の上昇や世界的な景気減速により、転売目的で買っていた「投機勢」が市場から抜け価格が適正化されることに。ただしこれは必ずしもブランドの失墜ではなく、「バブルの崩壊」に近い現象だと思われる
- V8ターボモデルの下落:特に「488GTB」や「F8」などの比較的新しいモデルは流通量が多く、値下がりが目立つ傾向に。一方で、「458イタリア」以前の自然吸気モデルやV12モデルは、むしろ「もう手に入らない資産」として価格が下げ止まり、あるいは再上昇している
- ハイブリッド、フロントエンジンV8モデルの下落:SF90系、296系といった「フェラーリ入魂の」ハイブリッドモデルの中古価格が大きく下がり、これがフェラーリの「今後の戦略」に影響を及ぼすことは避けられない。加えてV8フロントエンジンモデルの値下がりも少なくはなく、これらが「(849テスタロッサ、アマルフィなど)新車の買い控え」に直結する可能性も考えられる
- 「プロサングエ」の動向:現在の中古市場で唯一の例外がSUVのプロサングエ。依然としてプレミア価格が続いており、フェラーリにおいてもポルシェ同様、「実用資産」としての期待がなされていることがわかるが、やはりポルシェ同様に(利益獲得を目的として)SUVの生産台数を増加させるようなことがあれば、フェラーリのブランドイメージが崩れかねない
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フェラーリの中古市場が「崩壊」?SF90や296系ハイブリッドモデルの驚異的な下落、一方でF355 / 458など買うべき/あるいは慎重になるべきモデルとは【動画】
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2-1 2026年現在のフェラーリの「防衛策」
フェラーリは中古車価格の下落を放置せず、なぜなら、中古価格(残価)が下がると新車が売れなくなるから。※これはプラス材料ではある
短期的な「中古相場の下落」は一時的に顧客の買い替え意欲を削ぐ可能性がありますが、しかし、フェラーリの財務構造は「新車販売」と「オプション売上」に依存しているため、2027年頃までの予約が埋まっている現状では、すぐさま業績が悪化するような事態にはなりにくいと考えられます。
最大の懸念は「(ハイブリッド含め)電動化されたフェラーリが、中古になっても価値が残る資産だと認められるか」という点に集約されるものと認識しています。
- 販売台数の厳格なコントロール:需要が100あっても、あえて90しか生産しないという伝統的な制限をさらに強化する可能性
- 認定中古車プログラムの強化: 公式が中古車を買い支え、品質を保証することで市場価格をコントロール(買い叩きを防止)する動きを強める可能性
ただし予断を許さないのが現在の状況である
しかしながら現在は不透明な状況「極まりなく」、よって今後も一時的に株価が下がる可能性もなきにしもあらず。
しかしながら、上述のような理由によって「1~2年後には」現状を打破するための対策の成果が見え始めるものと考えており、そうこうしているうちに「トランプ政権が交代すれば」関税が撤廃される可能性が非常に高く、となると株価が急激に上向く可能性も。
要するに「数年かければもとに戻す、あるいは高値を更新する可能性を秘めており、何らかの必要がないのであれば、慌てて売る必要がない」というのがぼくの認識というわけですね。
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