| この事故は不幸の連鎖としかいいようがない |
東名高速道路を自動運転にて航行していたテスラ・モデルXが事故を起こし、1名が亡くなったという痛ましい事故がありましたが、その亡くなった男性の遺族(妻と娘)とがテスラを相手取って訴訟を起こしたとの報道。
これはBloombergが報じたもので、現時点ではその詳細は不明です。
事故の内容はこうなっている
なお、事故そのものは2018年4月29日のGW中に発生したもので、まず東名高速にて自動車と自動車との事故が発生し、その事故によって停止したクルマを避けることができなかったライダーがこれに衝突して転倒。
そして転倒したライダーを助けようと、一緒に走っていたツーリング仲間が停車することになりますが、まずはこの直後に来たクルマは事故を起こした車両とライダーたちを回避。
ただしその後ろから来たテスラ・モデルXは前方にあるバイクやライダー、クルマを回避できず、救助活動にあたっていたライダーの一人をはね、その男性が死亡してしまったという経緯となります。
なお、このテスラ・モデルXは自動運転(オートパイロット)にて走行しており、運転手は居眠りをしていたと言われ、しかし今回はその運転手ではなく、訴訟の対象は「テスラ」ということですね(この男性の処遇がどうなったのかはわからない)。
この事故については不幸の連続としかいいようがありませんが、障害物を回避できなかったテスラ・モデルXの機能に焦点が当てられ、テスラの責任が追求されることになりそうです。
テスラは自動運転技術を売り物にしていたが
テスラと言うと「自動運転」というイメージがあり、というのもモデルS発売時に自動運転を大きくアピールしていたため。
アメリカ西海岸から東海岸までを自動運転で走り切ることができると豪語しており、数々の自動運転の優秀さを示す動画を公開することで一躍有名に。
よって、テスラのオーナーも「自動運転」にフォーカスしたレビュー動画を公開していましたが、ここ最近はあまり自動運転について語られることがなくなったように思われ、テスラ自身も自動運転に言及しなくなったり、アップデートが話題にならなくなったようにも思います。
その理由は定かではないものの、ひとつは「新参メーカーが名を売るために活用した”自動運転”」が(テスラがすでに有名になったため)さほど有用ではなくなったこと、度重なる事故や開発費の負担など、むしろ”重荷”になってきたのではないかと考えています。
テスラはこのほか、2019年3月にもカリフォルニアで自動運転中の死亡事故(中央分離帯を構造物ではなく車線だと認識し、加速したと言われている)を起こしていて、こちらももちろん訴訟へと発展済み。
なお、テスラは中国におけるアップデートで「こっそり」自動運転にかかわる機能を取り除き、中国内で自動運転を使えなくしたという報道もあり(そのため中国では一時期テスラの不買運動が起きた)、今となっては「自動運転はリスクでしかない」と認識し始めたのかもしれません。
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テスラは訴訟とは縁が深い
なお、テスラは昔から何かと訴訟絡みの報道が多く、先日は(日本で)シャープから特許侵害で訴えられたことも。
そのほか、逆にテスラが元従業員に対し、「技術を盗んで中国の自動車メーカーに移籍した」として訴訟を起こしたということも数日前に報じられています。
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