| ここ2年はテスラは優位性を発揮できる |
テスラが2020年第一四半期(1月〜3月)の業績を発表し、最終損益が1600万ドルの黒字であったと公開。
これは3期連続での黒字達成となり、前年同期比に7億2000万ドルの赤字であったことを考えるまさに快挙ということになりますね。
なお、売上高は59億8500万円(前年同期比32%増)、販売台数は40%増の884,966台。
参考までに2019年第四四半期(10〜12月)には112,095台だったので、これよりは少ないということになるものの、コロナウイルスの影響を考えると「立派な成績」だと言えそうです。
当然ながら株価はこれに反応
そしてもちろん発表直後は株価が大幅に上昇していますが、翌日には米中対立懸念から下げているという状態です。
ちなみにぼくはテスラの株を買い集めていて、「下がった時に買い足す」というスタンス。
テスラ株は上がるときにはドカンと上がるものの、下がるときにもズドンと下がるのが特徴(そのため、日本の証券会社では扱いが停止になることが多い)。
そして、イーロン・マスクCEOが不適切発言をするとまた下がるので、こういったときにぼくは買い足していっている、ということになります。
なお、現在ぼくは自動車関連については株を大幅整理し、現在は「テスラとフェラーリのみ」に絞っていますが、テスラはあと2年くらいは優位性を発揮できると考えていて、まだまだ下がったときには買い進んでゆき、来年末あたりに一斉処分する予定。
なぜテスラは優位性を発揮できる?
テスラが優位性を発揮できる理由としては、やはり「コストが低い」こと。
車体そのものについても、EV専用の設計を保つために様々なコストをカットでき、それは製造工程においても同じです。
かつ、販売台数の割に車種が少なく、これも一台あたりのコストを引き下げる理由となるわけですね。
加えてテスラはディーラー経由での販売を行わず「直販」体制を取っているので、これによって消費者にクルマを安価に届けることができ、利益を削らなくても競争力のあるリテールプライスを維持できます(2019年の同時期に比較してオペレーションコストが13%下がっている)。
そのほかにもテスラが「儲かる」という理由はたくさんありますが、テスラは創業が新しいので、たとえば100年以上前から自動車を作っているメルセデス・ベンツに比較すると無駄がなく、というのもメルセデス・ベンツは「これから」のエレクトリック世代に移行するにあたり”捨てなければならない”部署や設備がたくさんあり(ガソリンエンジン関連の製造設備や工場、人員など)、しかしそれらのコストは全部「販売されるクルマ」に転嫁されているわけですね。
このあたりはマクラーレンが「フェラーリやランボルギーニに比較してコストパフォーマンスの高いクルマを作ることができる」のと同じで、新参者のメリットを最大限に生かしたということになりそうです。
さらにテスラは「リスクを恐れない」という特徴を持っていて、たとえばジャーマンスリーであれば絶対にそのまま販売しないであろう状態でも製品をリリースしていて、これについては一部で「テスラは、ユーザーの命をもってベータテストを行なっている」と言われているとおりなのかもしれません。
テスラは年間目標を達成できるか
テスラは新型コロナウイルスの影響にて上海のメガファクトリーを1月から2月にかけて閉鎖しており、3月からはカリフォルニアのメガファクトリーも閉鎖中。
つまり世界で一番め、そして二番めにコロナウイルスの影響が大きかった二つの市場にまたがって生産と販売が長期にわたってストップしたということになります(それでも今回の数字を記録したのはやはり驚異的)。※そしてこれらは同時に、世界二大自動車市場でもある
なお、現時点で中国と北米工場との生産比率はわからず、よって今後の予測をすることは難しい状態ですが、イーロン・マスクCEOは「2020年の年間販売目標である50万台はそのまま」としており、まだまだ今から挽回できると考えているのかもしれません。
ちなみにランボルギーニは、2020年の第一四半期は「好調だった」とコメントを発しており(数字は公表されていない)、意外やコロナの影響下で業績を維持した企業もあるようです。
ただ、そういった企業でも「その後」の生産がストップしているため、この後にボディブローのようにダメージがじわじわと効いてくる可能性が高く、まだまだ世界情勢は予断を許さないといったところですね。
VIA:NIKKEI.com