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【衝撃】テスラがイーロン・マスクに4.3兆円の新報酬パッケージを提示。「CEOをつなぎとめるには、金が一番効果的」

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| イーロン・マスクを「引き留める」ための答えは約3兆円 |

やはりテスラCEOは「イーロン・マスクでないと無理」?

今年初め、テスラの取締役会メンバーのうち2名が特別委員会を設立し、その目的は「イーロン・マスクをいかにして引き留め、やる気を維持させるか。

そして数ヶ月におよぶ検討の結果、彼らが導き出した「答え」は――約290億ドル(約4兆3000億円)におよび巨額の報酬パッケージであるという報道が大きな話題に。

これは現金相当のテスラ株による巨額報酬という極めて直接的な方法で、これによって同委員会は「イーロン・マスク氏をテスラに引き止め、やる気を出させよう」としているのだと報じられているわけですね。

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参考までに、テスラ内、そして投資家の中には「イーロン・マスク氏でないとCEOが務まらない」とする派、全く逆に「ブランドイメージ向上や無茶な戦略を廃止させ、地に足をつけた経営を行うにはイーロン・マスク氏をクビにするしかない」という派閥があるとされ、しかし今回の報酬パッケージの提案を見るに、前者のほうが勢力としては”強い”のかもしれません。

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2018年の「500億ドル報酬案」が無効になったため再提示?

このニュースを見て、「あれ?以前も巨額の報酬パッケージがあったのでは」という疑問も生じますが、実際に2018年にもテスラは500億ドル相当の報酬をマスク氏に提示したものの、これはデラウェア州裁判所によって無効と判断され、その際にイーロン・マスクCEOは「著しくモチベーションを失う」とコメントしたことも。

なお、「無効」とされた理由としては、取締役会の承認プロセスに問題があったことと、投資家にとって不公平であるという点においてです。

イーロン・マスク氏は「人類で最も裕福な人物」として知られ、しかしそれでも現在この判決を不服として控訴中であるところを見るに「それでもまだお金を求めている」のだと考えてよく、よって今回テスラによって提案されたそ290億ドルの報酬パッケージはけっこう大きな効果を発揮するのかもしれません。

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新報酬の中身:「善意の授与」として9,600万株

この報酬パッケージにはテスラ株9,600万株分が含まれており、「善意の授与(good faith grant)」としてマスク氏に与えられるそうですが、これとは別に、長期的なCEO報酬プランも現在策定中で、これは11月6日の株主投票にかけられる予定なのだそう。

なお、この新報酬は“最低2年間”マスク氏がCEOを継続することが条件となっており、もし彼が途中で辞任した場合は、この報酬は無効になるとされていますが、イーロン・マスク氏本人は「テスラCEOを辞める気はない」とも公言しており、当分の間、同氏がCEOの座を維持することは間違いないのかもしれません(それでも今回のような動きがなされているところを見ると、同氏がテスラを離れそうな雰囲気があるのかも)。

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報酬パッケージの目的は「議決権強化」

この報酬案の最大の目的は、マスク氏の議決権(Voting Rights)を強化することだとテスラは説明し、X(旧Twitter)上にて、テスラは以下のように述べています(記載の通り、議決権の強化についてはイーロン・マスク氏が強く求めてきたことでもあって、以前には議決権が少なく、自身が思うように経営できないとこぼしたこともある)。

「今回の報酬案は、マスク氏の議決権を段階的に増加させる構成となっており、これはマスク氏自身が以前から繰り返し希望してきたことであり、多くの株主もこれを支持しています。これによって、彼がテスラに集中し続けることを期待しています。」

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2018年の報酬との「重複受給」はなし

今回の報酬案において明確にされているのは、2018年の報酬案が将来的に復活した場合、今回の報酬は無効になるという点で、いわゆる「二重取り(ダブルディップ)」は認められないということ。

テスラ取締役会は以下のように説明しています。

「もし2018年のCEOパフォーマンス報酬が完全に復活した場合、この新しい報酬案は放棄されるか返却されることになります。簡単に言えば、“マスク氏が両方の報酬を受け取ることはない”ということです。」

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イーロン・マスク氏はまだコメントせず

現時点では、イーロン・マスク氏本人からの公式なコメントは出ておらず、ただ、いつものように、ミーム投稿や火星探査の話題、もしくはドージコインに関する返信など、何らかのユニークな方法で反応することは間違いないとも見られています(「真面目」「繊細な対応」は彼の得意分野ではない)。

【まとめ】またもや「テスラ=イーロン」構造が強化

この新報酬パッケージは、マスク氏がテスラから離れないようにするための「つなぎ策」として導入されたもので、その金額と構造、意図を見れば、「テスラという企業は、今なおイーロン・マスクの存在に依存している」ことが如実に現れています。

市場、そして株主たちがこの”4.3兆円の約束”にどんな反応を示すのか、今後の動向に注目ですね。

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