
| ついに始まったテスラのロボタクシー、その裏で噴き出した“安全性リスク” |
テスラの「ロボタクシー」はむしろテスラから希望を奪う?
今年6月、テスラとイーロン・マスクが長年アピールしてきたロボタクシー構想がついに米テキサス州オースティンで実用化されていますが、しかし、この「完全自動運転車」の導入は、テスラにとって希望の光どころか、大きなトラブルの引き金となったようです。
米経済紙や現地メディアなどによると、ロボタクシーは実際にはスピード違反、歩道乗り上げ、急なブレーキ、車線逸脱、乗客の危険な場所での降車といった、予想以上に荒っぽい挙動を見せており、株主から集団訴訟を起こされる事態に発展。
株価も一時6%急落するなど、市場に動揺が走っています。
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株主が提起した集団訴訟、「技術の完成度を誤認させた」
今回の集団訴訟において、株主たちは、テスラとマスクCEOが自社の自動運転技術について「過度に楽観的な発言を繰り返し、実態よりも高い期待を株価に反映させた」として、”証券詐欺に当たる”と主張。
特に問題視されているのが、マスク氏による2025年4月22日の発言で、このとき彼は、「テスラはロボタクシーの6月稼働に向けてレーザーフォーカスしている」「多様な地域・用途で安全かつスケーラブルに展開可能だ」と述べていたわけですね。
しかし、今回報告された不具合の多くは、そうした「スケーラブルで安全」な技術とは程遠いものであり、株主らはこれを重大な誤認誘導であるとしています。
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規制未承認の“ロボタクシー”、実態はただの有人ライドシェア?
テスラは現在、ロボタクシーの運行エリアをサンフランシスコ・ベイエリアへと拡大していますが、ただしカリフォルニア州では完全自動運転の商業運行そのものが未承認のため、実際にはドライバーが搭乗しており、「ロボタクシー」とは名ばかりの有人ライドシェアにすぎません。
それでもイーロン・マスク氏は意気軒昂で、7月末の決算説明会では「年末までに米国人口の半分をロボタクシーでカバーする」と語っており、技術的・規制的な障壁は意に介していない、といった様子も。
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テスラの「大胆すぎる未来予測」は現実と乖離?
これまでにも、マスク氏の大胆な発言が株価に影響を与えた例は少なくはなく、今回の件も、「技術が追いついていない段階での市場導入」が裏目に出た典型例といえるのかも。
今後は、規制当局の調査やさらなる訴訟が続く可能性が高く(実際にけが人が出たりすると一気に事態が悪化する)、テスラにとっては“ロボタクシー元年”が“信頼崩壊元年”とならないかに注目が集まります。
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